第582話社は(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
蟻通明神は、かつて紀貫之の乗る馬が、社の前で歩みが滞ってしまった時に、おそらく蟻通明神が貫之を困らせているのだと言い、貫之が歌を詠んで奉納したとの話が伝わっており、興味深いものがあります。
この神を蟻遠し(蟻と星)と言い続けたのは、本当にあったことなのでしょうか。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :面白いお話ですが、蟻遠明神は、泉佐野市に今も残っています。
清少納言先生:貫之の歌は「かきくもり あやめもしらぬ大空に ありとほしをば 思うべしをば」になります。
意味としては、かきくもった闇の様な大空に 星があるなどと思うはずがあろうか。
「ありとほし」は、「有と星」と「蟻と通し」を掛けています。
一面に曇って見分けもつかない大空には、星のあるそうかわかりません。それだから、ここに蟻通明神のお社があるなどと思いませんでした。こんな意地悪を蟻通の神がなさろうとは思えない、の意味なのです。
舞夢 :さすが貫之様ですね、機知にあふれています。
※社は(3)に続く。
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