第559話九月二十日あまりのほど、初瀬に

清少納言先生:今日は、九月二十日過ぎに、初瀬詣でをした時の話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


九月の二十日過ぎの頃、長谷寺に参詣をしたのですが、その時に、ごくごく小さな家に泊まったのです。

ただ、本当に疲れていたので、何も考えずに寝入ってしまうだけの状態。

それでも、夜が更けてきて、月の光が窓から漏れてきています。

家の人が寝ている着物の上に、その月の光が白く映って、素晴らしく雰囲気のあることと思いました。

また、そのような時にこそ、人は歌を詠むのだとも、感じました。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :たいへんわかりやすい文ですね、まるで観音様の功徳のようで。

清少納言先生:まあ、もともと月が美しい時期ではあるけれど。

舞夢    :疲れて寝入ってしまい、ふと目が覚めると、美しい月の光、それだけでも、浄土なのだと思います。


※さて、清少納言は、実際に歌をここで詠んだのだろうか、残念ながら、それは残っていない。

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