第557話賀茂へまゐる道に
清少納言先生:今日は、賀茂社へ参る時に、見かけたことです。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
賀茂社への参詣の折り、田植えをしているようで、女たちが新しい折敷のようなものを笠にかぶり、たくさん立って歌を歌っています。
折れ付すというのか、まだ何をしているのかよくわからないけれど、後ろの方に下がっていきます。
本当に、これにはどのような意味があるのでしょうか。
それはそれで面白いと思って眺めていたところ、ホトトギスのことを、相当からかって歌っていることがわかって、本当に気に入りません。
「ほととぎす、あんたのことだよ、あんたが鳴くから、わたしたちは田植えをするんだって」
などと歌っているけれど、そもそも、どういった人が、「あまり鳴かないで」と言ったのでしょうか。
それにしても、仲忠の生い立ちを軽んじる人と、ホトトギスが鷺より格下という人こそ、特に情けなく腹が立つのです。
清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢 :折敷は、そもそも食器を乗せるお膳ですよね。
清少納言先生:田植え笠なんですけれどね、実際は、そのように見えてしまいました。
舞夢 :それにしても、大勢の女性が田植えをして、歌を歌って楽しそうですが、それが何か?
清少納言先生:腰を折って、苗を植えながら実際には、下がっていきます。その時の歌が、ついついね。
舞夢 :仲忠は、かの宇津保物語の主役。実はかなりの身分であるものが、様々あって、苦難の身分にですね。
清少納言先生:木の実を取って、母を養うほどの苦しい生活でした。
舞夢 :あくまでも、ざれ歌ですよ、彼女たちも意味なく歌っていると思います。
清少納言先生:まあ、私も、半分冗談で書いております。
※それにしても、いろんな風景とか田植えをする女性の歌まで、宇津保物語に絡めるなど、清少納言先生の発想は、尽きないものがある。
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