第522話心にくきもの(6)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


女房たちも、あちらこちらに何人かずつ集まっています。

適当な会話をしているのですが、中には自室に下がっていく人もおりますし、御前に参上する人もいます。

その衣擦れの音は、やはり深夜なので神経を使っているのでしょうか、耳障りなほどではないけれど、それが誰なのか、衣擦れの音だけでわかってしまうので、格別に奥ゆかしいのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :これは、深夜の女房たちの様子なのですね。

清少納言先生:長い間、一緒におりますと、衣擦れの音だけで、相手がわかります。

舞夢    :誰かと考えるだけでも、面白そうですね。

清少納言先生:何かと問題がある時は、神経も使います。


心にくきもの(7)に続く。

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