第518話心にくきもの(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
提子の手が倒れて、縁に触れる音も耳にすると、残ってしまいます。
砧でしっかりと打った衣の上に、音を聞かれないようにと、髪の毛をそっと振りかけるのですが、そのひそやかな音でも、髪の長さを想像できてしまいます。
調度品を、すこぶる立派に揃えてある貴人のお屋敷で、大殿油は灯さずに、炭櫃にしっかりと熾して差し上げた火の明るさだけが周囲に届いている場合があるのですが、御帳の野筋の絹がキラキラと、突然目に飛び込んでくるのは、本当に素晴らしく感じます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :これは、ひそやかな音とか、輝きなのだと思いますが、静かな雰囲気の中では、緊張感のある美しさとか、趣を感じさせるということなのでしょうか。
清少納言先生:そうですね、静かな中で、ハッとするような音とか、光には、心を惹かれるものがあるのです。
心にくきもの(3)に続く。
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