第407話人ばへするもの(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


その子供が

「ねえ、お母様、あれを見せて」などと、母親の腕を引くけれど、母親は大人の中で話をしていることもあって、子供の言うなりにはならないでいると、子供は自分だけで動き回ってしまう。

そして、しまってあったものを見つけだして、「ここにあった」と大騒ぎするのは、絶対に許せない。

そんな子供の様子を見ていながら、母親も「駄目ですよ」などと言って取り上げてしまうこともせず、「そんなことをしてはいけません、壊さないように」などと、にこにこしながら言うだけなので、そんな親まで気に入らなくなります。

私としても、その母親の気分を害するようなことも言えないので、結局子供のすることを見ているしかなくて、自分自身が歯がゆくてたまらない。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :なかなか、実の母親を前にしては叱ることも難しいですね。

清少納言先生:なかなか、人間関係の難しい世界なので。

舞夢    :ますます我がまま放題の子供が育つ場合もありますね。

清少納言先生:まあ、成長しても、難しい人間社会に入るのでね。


子供に甘い親と、それを苦々しく思いながらも、口出しが難しい。

今の日本でも、同じようなことが多い。

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