第382話殿などのおはしまさで後(3)

右中将源経房様は

「他の女房たちの気持としては、私から清少納言に声をかけて欲しいということなのでしょうね」

「中宮様のところへ伺ってごらんなさい」

「本当に雰囲気が良い小二条殿の様子でしてね、対の建物の周りの牡丹などは素晴らしく風情がありました」

などと言ってくるので、

私(清少納言)は

「さて、どういうものでしょうね、他の方が私のことを憎んでいるということがわかっていたので、私としても自然にその方のことを憎らしく感じておりましたので」

と、返事申し上げました。

右中将経房様は

「こだわりなく、はっきり言われますね」

とお笑いになられます。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :この話は清少納言先生のお兄様が道長様と親しかったことから、清少納言先生まで道長様と親しいとか、そんな話になって、邪推されたのですね。

清少納言先生:確かに道長様は冷酷な部分があって、中宮様にひどいことをなさったけれど、だからといって私まで疑うなんて、ありえませんよ。

舞夢    :なかなか難しい世界ですね。


やはり狭い宮廷社会、何かにつけて「足の引っ張り合い」がある。

生き抜くのは、なかなか難しいものがある。

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