第380話殿などのおはしまさで後(1)

清少納言先生:今日から、関白道隆殿ほか、亡くなられた後のお話になります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


関白道隆殿がお亡くなられ、その他の方々も亡くなられてから、世間においては不穏な事件が様々起こり、騒然としていたことから、中宮様は宮中には出向かれず、小二条殿という場所ですごされておりました。

また、その当時の私は、はっきりと理由は言えないけれど、気分を損ねることがあったので、長いこと里に下がっておりました。

そうはいっても、中宮様のご様子が気にかかるので、やはり宮仕えをやめることはできませんでした。


※長徳元年(995)、四月に関白道隆が亡くなり、その前には大納言朝光、後に大納言済時、また大納言道兼、左大臣重信、中納言伊陟と貴人があいついで亡くなった。

※長徳二年(996)四月、花山天皇呪詛事件により中宮の兄弟である内大臣伊周や中納言隆家が左遷された。ほぼ冤罪に近いけれど、これには道長の意向が働いていたらしい。中宮定子は道長の非道に衝撃を受け、落飾し参内を控えることになった。


殿などのおはしまさで後(2)に続く。

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