第325話恥づかしきもの(4)

男は、関わったことのある女への不満を、心にしまっておくのではなく、他の女の前で、思っていることを全て、この女のことをあの女に、あの女のことをこの女にという調子で、かわるがわる別の女に言い聞かせているに違いない。

そういう状態である(自分のことも言われている)のに、男の自分に対する愛情を頼みにしている女は何も知らないで、男がそんなことを言ってくるのは、ますます男の自分に対する愛情が深まったからだと、誤解してしまうのである。

そして、それがどうにもいたたまれない。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :女性同士の悪口を聞いた男が、それを真に受けて拡散することもありますね。

清少納言先生:ああ、ありますね、なかなか怖いです。文句を自分で言わなくても言われていることもありますし。


やはり狭い宮廷社会、足の引っ張り合いである。

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