第306話あはれなるもの(4)
男であれ、女であれ、若くてすっきりと美しい人が、濃い色で黒い衣、要するに近親者の死に伴い、喪服を身に着けているのを見ると、こんなに若くて美しい人にも、不幸は訪れるものだとわかるし、考えさせられてしまう。
九月の末から十月始めにかけての頃に、本当にほそぼそと鳴く、やっと耳にした蟋蟀の声。
卵をあたためようとうずくまっている鶏。
秋も更けて、枯れてきた庭の浅芽に露がやどり、色が様々に反射し、まるで宝石のように輝いているところを見る時。
あはれなるもの(5)に続く。
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