第249話五月の御精進のほど(5)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


明順朝臣は

「こういう場所に来ると、こういうものをお見せできるのです」と言い、稲というものを持ち出してきて、近所の家に住む平民の若くて可愛らしい女の子たちの五、六人で稲扱きをさせ、いままで全くみたことのない、くるくると回転するもの(おそらく挽臼)を二人の若い女の子の引かせながら、歌を歌わせるのです。

珍しくて笑ってしまって、ホトトギスの歌を詠むことを忘れていました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :稲をとか、挽臼は見たことがなかったのですか?

清少納言先生:はい、全く。新鮮でした。


少し、驚いた。

清少納言先生が水田の前にいる姿も、想像はできないけれど。

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