第245話五月のご精進のほど(1)

清少納言先生:今日から五月のご精進の頃のお話になります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


五月のご精進に頃のお話です。

中宮様が職の御曹司におられた頃、塗籠の前の柱の間に二間ほどを、仏間になされたことは、いつもの雰囲気とは異なり、素晴らしく思いました。

月初めから雨が多くて、その日も曇りでした。

とにかく所在なさを、持て余していたので、

「ホトトギスの鳴く声を求めてお出かけしたいねえ」と声をかけると、私も私もと参加者が増えてしまいました。

誰か他の女房が

「下賀茂のお社を通り過ぎると、何崎と言われているのか、「かささぎ」とは違う、聞いたことがないような名前で呼ばれている場所があって、そこでホトトギスが鳴いています」と言うと、他の誰かが、「それは蜩ですよ」と言うのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :まず、五月のご精進とは?

清少納言先生:まず、三斎月と言って、正月と五月と九月は精進に励む月とされました。

舞夢    :塗籠は、今で言う納戸のようなものですね。

清少納言先生:三方あるいは二方を壁で塗り込めて、物を収めたり、寝所としました。


五月のご精進のほど(2)に続く。

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