第246話五月の御精進のほど(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


そのホトトギスが鳴いているとかいう場所に出かけましょうというお話がまとまり、五日の朝に中宮職の役員に車の用意をお願いします。

「五月雨の季節ですので、誰からも苦情はないでしょう」ということで、北の陣に車を呼び寄せて、四人ほどで乗り込みました。

他の女房たちも、うらやましく思うのか、「もう一台なんとかならないかしら、ぜひ、ご一緒したい」と言ってくるのですが、

中宮様は

「なりません」と許可されません。

ということなので、遅れた人たちの言葉など聞かずに知らんぷりをして、出発しました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :出し抜いてしまったのですね。

清少納言先生:早い者勝ちです。

舞夢    :中宮様はご自分がなかなか外出できないので、悔しかったのかもしれませんね。

清少納言先生:まあ、それは国母となられるお方です、出かけるとなったら大騒ぎです。



女房ならではの気楽さを、十分に楽しむ清少納言、どんな道行きになるのだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る