第239話ねたきもの(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


美しく咲き誇る萩や、薄を植えて見ているその前で、長櫃を携えた植木職人が鋤を振るって、平気に掘り抜いて持っていってしまうのは、なんとも止められなかった悔しさもあるし、気に入らなかった。

確かに身分の高い人はいなくても、ある程度の身分の人がいる場合は、そういう無粋なことはするべきではないと思う。

やめてほしいと、しっかり伝えたのにもかかわらず、「少しだけ」と言い切られてしまい、掘られていなくなってしまったのは、今さらでだけど本当に我慢できないほど気に入らない。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :職人さんも強引ですね。

清少納言先生:全くです、目の前なんて。

舞夢    :いろいろ作業の都合があったのでは。

清少納言先生:そういうのは、上手に都合をつければいいのに。


おそらく広い内裏のなか、職人も大忙しだったと思うけれど、清少納言先生としては、「何も見ている前で」と思い、癪にさわったのだと思う。

職人さんも「口のききかた」で、もう少し穏便な書かれ方になったのだと思うけれど。

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