第230話内裏は五節のころこそ(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


舞姫にお仕えする雑役の係や女房の下働きをする女童も、本当に素晴らしい時期の仕事と感じているのか、胸を張りうれしそうにしているのも、当然なことと思う。

小忌衣を摺る山藍や、冠にさす日陰の鬘を柳の筥に入れて、五位を与えられた立派な男性が、それを持ち動き回るのは、すごく魅力を感じる。

寅の日の淵酔の後になり、直衣などは脱ぎたらしてしまい、扇などで拍子を取り、

「つかさまつりとしきなみぞたつ」などと歌を歌って、局の前を通り過ぎていくのを見ると、私のように宮中での生活に慣れている人でも、ドキドキしてしまうだろう。

そのうえ、突然どっと笑い声が起きると、何が起きたのかと思って、恐ろしくもなります。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :雑役は本来は帝にお仕えする雑役ですね。

清少納言先生:はい、この場合は、舞姫につく「上雑仕」になります。

舞夢    :柳の筥は、柳の細枝をたわめてですね。

清少納言先生:はい、その通り。

舞夢    :淵酔の後は、直衣を脱ぎたれて、つまり肩脱ぎですね。

清少納言先生:はい、とにかく大騒ぎです。

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