第224話宮の五節出ださせ給ふに(2)
赤い紐を美しく結んで垂らし、つやつやと光沢のある白衣、型木を使って摺り模様にする部分には、絵が描いてあります。
織物の唐衣の上に、描き絵模様の小忌衣風の衣装をまとう姿は、大変珍しく見えます。
その中でも、汗袗姿の童女は、普通の女房たちよりも、明るく新鮮に見えます。
下仕えをする女たちも気になってついてきて座っているので、殿上人や上達部が驚いて面白がります。
「小忌衣女房」などと命名しますが、神事に奉仕する小忌の君たちは外にいるので、内にいる小衣の女房たちと、雑談をしています。
中宮様が
「五節の局を日が暮れないうちに、皆整理してしまって、がらがらで寒々としてしまうのは、大変珍しく寂しいことになるので、当日の夜までは、しっかりそのままに」とおっしゃられます。
局を残されたので、几帳のほころびから、覗き見されないように結びながら袖や裾を几帳の下から出していました。
※赤紐:新嘗会の時などに、神事に奉仕する君達の小忌衣の右肩につける。それを真似した服を五節の舞姫に着用させようとする試み。
※五節の局:常寧殿の四隅に設けられた舞姫の控え所
宮の五節出ださせ給ふに(3)に続く。
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