第217話めでたきもの(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


帝の近侍として親しくお仕えする三年から四年までの間ですが、装束も貧弱で配色もパッとしないような状態で出仕する者などは、論外です。

五位にまで官位があがりそうになる時に、殿上人を下ろされることが近くなることは、命を失うことより無念なことに思うけれど、自ら臨時に発表された地方官の欠員に任命されようと願い出て、殿上の間から離れるのはどうしようもなく残念です。

昔の蔵人は任期満了となる前年の春から夏にかけて、泣くほど残念がったものだけど、最近は次の稼ぎ口を探して、他人に遅れを取らないようにと駆け回っている、


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :名誉よりも稼ぎでしょうか。

清少納言先生:しかたがないことだけど、あまりにもね。

舞夢    :地方の受領とかのほうが、蓄財も出来るのですね。

清少納言先生:そうですねえ、のん気で財もたまる。


清少納言にとって、地方へ下ることは自らを貶めること。

とにかく国の中枢にいることが、自らのプライドを保つ大事なこと。

国家公務員で言えば、本庁づとめがベスト、それ以外はどうでもよかったのだと思う。

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