第216話めでたきもの(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
御娘が后となっておられる方、あるいは入内まではいたらなくても、これから帝に姫君をと申し上げておられる方のところへ、帝から御手紙を届けるために蔵人が参上すると、その御手紙を受け取るために、褥を差し出す女房の袖口の美しさともてなしぶりは、この勅使が今まで見慣れてきた者とは思われないほど、素晴らしいのです。
下襲の裾をあでやかに長く引く、衛府と兼任の蔵人の場合は裾が特別長いので、他の普通の蔵人より、魅力があります。
主人から直接盃をさされたりすると、本人も名誉と思うのでしょうね。
かつては、本当に恐縮して自分自身が地面にひざまずいていた主家のご一族や君達に気持ちだけは敬意を示すけれど、今はその人達と肩を並べて歩きます。
帝に気に入られ、お側近くで召し使われている場合は、嫉妬さえ感じるほどです。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :これはお役目がらということでしょうか。
清少納言先生:まあ、そういうことでしょうね、若い人が多いので綺麗な雰囲気もあります。
舞夢 :帝の近習といいましょうか、直結なので神経を使うんでしょうね。
清少納言先生:はい、ゾンザイな扱いをして、告げ口されたら、一家の破滅にもつながりますから。
帝からのメッセンジャー兼内偵のような感じ。
さすがに、ゾンザイな扱いは出来ない。
もてなされるほうも、「役得」なのだと思う。
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