第207話職の御曹司におはしますころ(9)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


さて、そうこうしているうちに、雪山は人間の思惑とは関係なく、新年を迎えました。

すると元旦の夜に大雪となりました。

私(清少納言)は、

「あらあら、うれしいこと、また積もりましたねえ」と喜んでいると

中宮様は

「新しく降った雪を加えるのは話としては、おかしいのでは」

「以前に積もった雪はそのままで、新しい雪はかき捨ててください」

と厳しいご指示です(私には)

その後、かなり早い時間に自分の部屋に下がると、中宮様にお仕えする侍の筆頭者が、柚子の葉のような濃緑の宿直姿の袖の上に、松に結んだ青い紙に書いた手紙を手にして、ブルブル震えながら現れました。

私は

「そのお手紙は、どなたからでしょうか」と尋ねると、

筆頭侍は

「斎院からでございます」とのこと。

私としては、素晴らしいこととしか言いようがなく、受け取り中宮様の御前に参上いたしました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :雪山は厳しいですね、中宮様。

清少納言先生:まあ、それより賀茂斎院様です、緊張します。


職の御曹司におはしますころ(9)に続く。

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