第174話頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


炭櫃の近くにいくと、そこにも女房たちが数人、なにか話をしています。

その時に、「誰でしょうか、参りました」と、主殿司の大はしゃぎの声が聞こえてきます。

私は「変ですね、何かあったの?」と訊ねさせると、意外にも「誰か」は主殿司でした。

その主殿司は私に

「これは清少納言様に直接お伝えする話なので」と言うので、私も近寄ります。

主殿司は

「これは、頭の中将様が清少納言様へとのことで、お返事は速やかに」と言う。

私としては、「頭の中将様は私のことを大変お嫌いであるのに」と気になるけれど、その場で慌てて手紙を見るのも恥ずかしいので

「お帰りなさってください、返事はすぐにお届けします」と言い、手紙を懐に入れ、元いた場所に戻りました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :まあ、秘密めいていて、これはこれはですね。

清少納言先生:何か裏があるなと思うので、そこは間を置かないとね。

舞夢    :確かにその場で読むのも、あまりねえ。


頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(4)に続く。

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