第85話花の木ならぬは(3)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
楢の木は、身近では見られないけれど、「三つ葉四つ葉の殿造り」と催馬楽に唄われることを思うと、興味が湧く。
五月に葉から落ちて来る滴が雨の音に似ていることもあり、聴いているとしみじみと思う。
楓の木は、それほど大きくならないけれど、芽生えた葉先が赤くなり、同じ方向に伸びる葉の風情と、花そのものが弱々しくて、干からびた虫のような感じで、それだからつい見てしまいます。
清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢 :三つ葉四つ葉の殿造りとは?
清少納言先生:催馬楽に「この殿はむべも むべも富けり さき草のあはれ さき草の はれ さき草の 三つ葉四つ葉の中に 殿づくりせりや 殿づくりせりや」とありあります。さき草は山百合のことです。奈良の率川神社に三枝祭というのがあって、今でも百合が飾られるのかなあ。三つ葉四つ葉は、建物の数で、三棟四棟の意味にもなります。要するに裕福で三棟四棟建てるお屋敷なんですね。
舞夢 :率川神社には、何度も行きましたが、そこには気づきませんでした。なかなか、またこれで行く楽しみが増えました。
花の観察は、わかりやすいけれど、催馬楽など出てくると、太刀打ちできない部分がある。そう言う意味で、古典は一度首を突っ込むと、どんどんはまっていく。
まだまだ、勉強が足りないと思う。
※催馬楽
平安時代に隆盛した古代歌謡。元来存在した各地の民謡・風俗歌に外来楽器の伴奏を加えた形式の歌謡。管絃の楽器と笏拍子で伴奏しながら歌われた「歌いもの」の一つであり、多くの場合遊宴や祝宴、娯楽の際に歌われた。(ウィキペディアより)
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