第76話木の花は
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
桐の木の花が紫色に咲いている姿は、その紫の色のため、どうしても心をひかれるけれど、葉の大きさの程度が不格好な程に大きい。
しかし、他の樹木と同じように批評するのは、どうかと思います。
それは、唐土でたいそうな名前で呼ばれている鳳凰が、わざわざ桐の木ばかりを選んで、その上にとまるらしい、それだけ他の樹木とは違った品格があるのです。
それにもまして、桐の木で琴を作り、いろいろな音色を奏でるなど、興味がひかれますし、それは並たいていの褒め言葉では足りません。
やはり、本当に素晴らしい木です。
幹や枝ぶりの評判は、あまりよくないようだけど、楝の花は素晴らしい。
乾いたように普通の花弁とは違ったように咲くし、そのうえ五月五日の端午の節句に合わせて咲くのも、興をひかれます。
清少納言先生:お疲れ様です。
舞夢 :桐の魅力は花というより、その用途が琴であるという点と、鳳凰のとまり木なのですね。
清少納言先生:琴は当然ですが、鳳凰は聖天子の善政が行われる時に姿を現す、めでたい鳥ですからね。
舞夢 :楝の花は、お言葉の通りで、花の咲く時期と節会が一致すると言う意味で、おめでたいということですね。
不思議なことに、木の花の話なのに、和歌の話題が感じられないし、春の代表的な椿についても書かれていない。
まあ、しかし、これは随筆であって、学術書ではないのだから、追及するのも野暮だと思った。
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