第61話小白河といふ所は(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
左右の大臣を特別扱いにして差し上げますと、出席なさらない上達部はおりません。
二藍の指貫に直衣を着て浅葱色の帷子などを透けて見えるようにして、いらっしゃいます。
少し年齢を重ねられた方は、青鈍色の指貫に白い袴というお姿で、本当に涼しげです。
佐理の宰相なども、年齢より若々しくなさり、何から何までありがたい講会というだけではなく、会衆を見ることもなかなか魅力がある見物です。
廂の間の簾を高くかきあげ、下長押に近い場所に上達部は奥に向かってたくさんお座りになっておられます。
その次の席には、殿上人や若君たちの、狩衣姿や直衣を着ていらっしゃるのも、この時季によく合っています。
落ち着いて座っていられず、あちこち歩かれるのですが、結局落ち着かれないのも、いっそう興味を惹かれます。
実方の兵衛佐や中明侍従などは同族なので、他の人よりも、出入りが頻繁で、場慣れしている様子です。
まだ元服前の若君などもおられて、大変可愛らしく思います。
清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢 :観察をしていらっしゃるんですね。
清少納言先生:そうね、宮仕え前に行った時のことです。
舞夢 :お若い時期ですねえ。
清少納言先生:説教より、来ている人のほうが気になったの。
舞夢 :それは、偉い人ばかりですもの、どうしてもね。
なかなか、これほど細かくかいてある文もないので。当時の風俗を考えるのにも、興味が惹かれる文だと思う。
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