第48話心ときめきするもの

清少納言先生:今日は、別のお話となります。

舞夢    :はい、現代語訳を行います。


胸がドキドキするもの。

雀の子を飼っている時。

幼い子供を遊ばせている時に、その側を通る時。

上質の香りをたいて、独り寝をしている時。

舶来の鏡が少し曇っているのに気付いた時。

身分の高い男君が牛車を止め、お供に取次をさせ、尋ねさせている時。

洗髪をして香を薫き染めた衣などを着た時。

そういう時は、特に誰かが見ていなくても、心の中はやはり気持ちがいい。

人の訪れを期待している夜は、雨や風で物音がしたとわかっているのに、ドキドキしてしまう。


清少納言先生:はい、お疲れさまでした。

舞夢    :上質の香りからは、同じ話ですね。

清少納言先生:あら・・・わかりました?

舞夢    :上質の香りで独り寝をして、高価な舶来の鏡の曇りを気にする。

       男君の取次の声にドキドキして、その前に洗髪。

       香を薫き染めた衣、雨風の物音まで気にする。

清少納言先生:逢瀬の準備ですしね。


野暮なので、それ以上は聞かないことにした。

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