第21話清涼殿の丑寅の隅の(2)

清少納言先生:それでは続きをお願いします。

舞夢    :はい、始めます。


帝のお食事に同席なさる方が、食事の世話をする蔵人たちを御呼びになるかならないうちに、帝がいらっしゃいました。

中宮様は、「御硯の墨を磨ってください」とおっしゃられますが、私の目は宙に浮かんでしまいまして、お席につかれた帝ばかりを拝しています。

ほとんど墨挟みに挟んだ墨を外してしまいそうになります。

また、中宮様は白い色紙を押し畳み、「この紙に覚えている古歌を一首ずつ、今すぐに書いてください」とおっしゃられます。

私も困ってしまいまして、簀子に座っていらっしゃる大納言殿に

「これは、どうしたらよいのでしょうか」

と申し上げるのですが、大納言殿は

「早く書いて差し上げなさい、男が余計なことを言うものではないので」

とおっしゃり、硯を御簾の中の中宮様の方へお戻しになりました。


清少納言先生:はい、そこまでで。

舞夢    :まあ、期待されているんですね。

清少納言先生:そんなことを言ってもね、帝と皇后と大納言様の前です。

       私だってね・・・

舞夢    :まあ、急に言われてもねえ・・・

清少納言先生:焦った顔もなかなかって、思っていない?

舞夢    :えへへ、なかなか図星で(笑)

清少納言先生:まあ、この展開はまた明日で


清少納言先生は、今日もさっぱりと消えた。

明日が、いっそう楽しみになった。

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