第44話 堕神の結
起。
俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。
「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」
と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?
富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。
不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。
先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?
なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!
光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?
俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!?
どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?
1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?
紙神が降臨された。トイレットペーパーの神、ティッシュ神、折り神・・・おもしろいようで、おもしろくない!? ということで、マジメに風神雷神から、神チャレンジを始めることにした。風神は風の神ではなく、風邪の神だった。おまけの雷神の、おもしろいボケが浮かばない!? 困った!?
雷神・・・来診・・・医者か、看護婦になってしまった。紙神の犠牲もあり、福ちゃんが、俺から風邪という不幸を取り除いてくれた。さあ、ここから福の神と貧乏神の恐怖の反撃が始まる!?
俺に対する不幸!? 風邪に、雷を福の神が食べ、風神雷神には貧乏神が憑りついて不幸まみれに、まさか自然属性よりも、福と貧乏属性の方が強かったとわ!?
闇エリの彼氏に手を出された復讐の貧乏が開演する!?
ついに拘束された風神雷神。牢屋の中で俺の神ハラに耐えつつ、健気に暮らしていた。新しく登場した神は1度きりの使い捨てになるのか? それとも折り神のように準レギュラーになり、マスコットキャラとして生き残るのか? 風神雷神は、今後に登場する神々に対する指針となる!?
罪を許された、風神と雷神。住まいは上空。あだ名は、風神が風ちゃんとウイルス。雷神が、雷ちゃんとナースに決まった。他に何を決めればいいのだろう? 憑りつき先も俺に決まり、神ハラし放題!? と喜んだら、エリに監視を頼まれた福ちゃんが、俺の不幸を頂かないので、俺は生死の狭間を彷徨うことになった!?
神々の入浴しているお風呂場を覗こうとしたが、俺は不幸が重たくて身動きがとれない。せいぜい神湯を飲むことぐらいしかできないのだった。神湯とは、神の入浴したお湯のことをいう。ラノベの購買層が、20代の男性だから、これぐらいの内容でいいのだろう・・・。
堕神。堕天使というのは聞いたことがあるが、堕神は初めてである。俺のような不幸を集める体質なのに、神が3人も憑りついて楽しく? 暮らしているので、天界の神々の怒りを買ってしまった!?
天使ミカエル。神とイチャイチャしている俺は、天界の神々を嫉妬させてしまったらしい。なんと罪深い、俺。そんな俺たちの神ハラな生活を邪魔すべく、天使を使わしたというのだ。福ちゃんたちは身の潔白を証明するために、天使にも、俺に憑りつけというのだ。こうして俺と天使との、天ハラな日々が始まった。
俺に不幸が集まるのは、心が邪で欲望の塊だったのが原因と分かった。どれだけ手を伸ばしても、神に触れる俺の手を、天使ミカエルは、ことごとくかわしていく。なんと天使には、邪な俺の心をキレイに浄化するチカラがあるというのだ。もし俺が真面目な人間になってしまったら、この物語は終わってしまう!?
ついに天使ミカエルの裁きが始まった。闇エリのところの、貧乏神のエリザベスは、仲良しなので無罪が確定した。俺に憑りついている福ちゃん、雷ちゃん、風ちゃんは、堕神に認定されてしまった。神々の命令で堕神を抹殺しにやってきた、ミカエルと福ちゃんたちの戦いが始まろうとしていた!?
承。
「ちょっと余談だが、この物語は、俺と福ちゃんが、神々や天使、悪魔と戦う物語だったはず・・・どこからズレたんだろう?」
「貴様が、神へのセクシャルハラスメント、神ハラをしたからだろう!?」
「俺のせいだったのか・・・と言いつつ、福ちゃんにペチャ。」
「キャア!? 私に触るな!」
ちゃんちゃん。改めて、天使ミカエル編、どうぞ~。
「堕神ども、天使の名において、成敗してくれる!」
ミカエルは剣を構えている。
「どうしましょう? 福の神お姉さま?」
「怖い! 天使なんて大っ嫌い!」
「フフフッ、ハハハハハッ!」
福の神の福ちゃんは、高圧的な勝ち誇った笑いをする。
「なにを心配している? 天使の裁き? やれるもんならやってみろ!」
「なに!?」
「福の神お姉さま! カッコイイ!」
「ステキ!」
福ちゃんの自信は、どこからくるのか!?
「いいのかい? 天使さん。私を抹殺したら、神が救済しようとしている、人間が不幸になるぞ!」
「な!? 人質とは、卑怯な!?」
ミカエルは、天使なので人間を不幸にはできない。
「人の不幸を盾にするな!」
「そんな口の利き方をしていいのか? もう触らしてやらないぞ?」
「なに!?」
やはり、この福の神は、只者ではない!
「天使さま、福ちゃんがいなくなったら、俺は不幸になります! 抹殺するなんてやめて下さい!」
「なんですって!?」
「それでいい。貴様、もっと嘆願しろ。」
「ミカエル! 俺には不幸を取り除いてくれる、福の神が必要なんだ!」
「・・・。」
天使は、少し考えた。
「・・・仕方ないです。憑りついている人間が、福の神とはいえ、堕神を必要というのであれば・・・。」
「それじゃあ!?」
「1年間、1年間だけですよ! レンタル福の神の期間だけ猶予を与えます。」
「やった! これで福ちゃんに触れる!」
「神ハラ野郎! そこは一緒にいられるだろうが! ボコン!」
「ギャア!?」
俺は、福ちゃんに殴られた。それでも痛くは無かった。またこうして福ちゃんと楽しく過ごせると思うと、痛みも気持ちよかった。
「もっと、ぶって!」
「オエ! 気持ち悪い!」
俺の日常が戻ってきた。やっぱり福ちゃんと一緒にいると楽しい。
「それでは・・・、福の神は諦めて、雷神、風神、お前たちは、堕神認定! 抹殺します!」
「ええ!? なんで私たちが!?」
「福の神お姉さま! 助けて!?」
天使は、風神雷神を追いかけて、鬼ごっこをして楽しく遊んでいた。
転。
「気に入らんな!」
福ちゃんはご機嫌斜めであった。
「なにが気に入らないの?」
「貴様、偉い神には、セクハラできるんだろ? なのになぜ、神の使い魔の天使ごときに、セクハラできないんだ!?」
「え?」
俺は、耳を疑った。神とあろう者が、上位種の神には、セクハラできるのに、俺が下位種の天使にセクハラできないことを、ムカついていたのだ。
「貴様には、責任がある。」
「俺に、どんな責任があるというのだ!?」
「あれを見ろ!」
ベットで横になって、全身包帯巻き巻きの風神と雷神がいる。天使のミカエルに半殺しにされたのだった。
「風ちゃん!? 雷ちゃん!?」
「ミカエルにやられたんだ・・・。なんとか、命までは取られなかったがな。」
「大丈夫?」
「ビリビリ・・・。」
「ゴホゴホ・・・。」
2人とも、生死を彷徨っている。
「これは、貴様のせいだ。貴様が私だけでなく、この2人のことも嘆願していれば、こんなことにはならなかったはずだ。」
「そいういば、2人のことを言うのを忘れた!?」
「だろ。」
そうか、俺のせいだったのか!? 改めて認識した。
「私は、かわいい妹分の敵を取らなければいけない。それが・・・。」
「それが!?」
「それが天使ミカエルへの、貴様のセクハラだ!!!」
「いいんですか!?」
俺は、役得だと思い喜んだ。
「貴様に、私の秘策を伝授してやろう。」
「お願いします!」
俺の天使ミカエルへのセクハラ修行が始まった。
結。
「ということだ、天使。」
「どういうことですか?」
「ズコー!?」
少しテンポが狂わされた。
「おまえは、人間に体を触られて、清いからではいられなくなるのだよ!」
「私は天使です。そのような邪な心を持った者がいれば、清らかな心に導いてさしあげます!」
「その減らず口、いつまで、ほざけるかな! やれ!」
「ミカエルちゃん! トウ!」
俺は、天使の穢れの無い体に飛びつこうと突進した。ビビビッ! 天使に邪念を持った人間が近づこうとしたので、清らかなバリアが邪悪な俺の侵入を阻む。
「ギャアアアアアア!?」
「私は、天使。これぐらいの穢れでは、私を悪に染めることはできないぞ!」
「それはどうかな?」
「なに!?」
「何の策も無く、天使にケンカを売る訳ないだろう!」
そうだ! 俺は、福ちゃんの対、天使用セクハラ修行をした。俺の体により多くの不幸をまとうことにより、天使の浄化バリアを突破するというものだ。
「貴様の不幸は、そんなものか!!!」
「俺は・・・触るんだ!!!!」
「な、なに!? 浄化バリアを突破しただと!?」
俺は、ついに穢れ無き天使の間合いに入ることができたのだ。
「ミカちゃんに、ペチャ。」
「やった! 天ハラに成功したぞ!?」
「ギャアアアアアア」
俺は、天使を汚すことに成功した。
「風神、雷神、お前たちの敵は取ったぞ。」
福ちゃんは、妹分の敵討ちに成功したのだった。
数日後・・・。
「どうしたの? ミカちゃん・・・。」
「光リエさんに触られて、穢れてしまったので、私、堕天使になりました!」
「堕天使!?」
「これからも、よろしくお願いします! エヘヘ。」
「ズコー!?」
こうして、俺は、天使ではなく、堕天使に憑りつかれた。
つづく。
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