第36話 風神雷神の結
起。
俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。
「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」
と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?
富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。
不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。
先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?
なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!
光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?
俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!?
どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?
1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?
紙神が降臨された。トイレットペーパーの神、ティッシュ神、折り神・・・おもしろいようで、おもしろくない!? ということで、マジメに風神雷神から、神チャレンジを始めることにした。風神は風の神ではなく、風邪の神だった。おまけの雷神の、おもしろいボケが浮かばない!? 困った!?
雷神・・・来診・・・医者か、看護婦になってしまった。紙神の犠牲もあり、福ちゃんが、俺から風邪という不幸を取り除いてくれた。さあ、ここから福の神と貧乏神の恐怖の反撃が始まる!?
俺に対する不幸!? 風邪に、雷を福の神が食べ、風神雷神には貧乏神が憑りついて不幸まみれに、まさか自然属性よりも、福と貧乏属性の方が強かったとわ!?
闇エリの彼氏に手を出された復讐の貧乏が開演する!?
承。
「あっちに逃げよう!」
「おう!」
「エリザベス!」
「はい! エリちゃん!」
闇エリの嫉妬の炎に火が付いた。恐怖で逃げまとう風神雷神。やっと見つけた出口も、
「あなた方の、出口という幸福は、私が食べます!」
「え!?」
ペロっと光り輝く出口は、貧乏神の胃袋に消えた。ゲプー! とエリザベスは満足そうである。
「おいしかった!」
「ああ・・・出口が・・・ガクン・・・。」
「こいつも食いやがった!? どうなってるんだ!? この世界は!?」
「福の神と貧乏神が最上位の世界なんです。エヘ。」
「鬼! 悪魔! おたんこなす!」
「そんな、口の利き方でいいの?」
「ドキ!?」
「もっと地獄を見せるわよ!」
「ゾ・・・。」
貧乏神とも暮らしていられる、闇エリには怖いものはなかった。
転。
「クソ! こうなったら最後のあがきだ!」
「おう! やってやる!」
風神雷神は、まだ戦う気があるらしい。
「子供の頃から幸せをエリザベスと分け合ってきた私に挑むとは、この愚かも共もが!」
闇エリも受けて立つつもりである。
「くらえ! 風邪のウイルス!」
「雷鳴響け! 緊急来診サンダー!」
最後の攻撃が放たれた。しかし、それは闇エリへの不幸であり、風神雷神には希望であった。
「頂きます!」
「食べます!」
パクっと福の神と貧乏神が分け合って、仲良くおいしそうに食べた。恐るべし福の神と貧乏神。
「エリちゃん、大丈夫?」
「光くん、怖かった・・・。」
「あんたの方が怖いわ!」
「もう、ヤダー・・・。」
でも、本当に恐ろしいのは、闇エリだった・・・。
結。
「で、こいつら、どうしよう。」
風神雷神は、白旗を上げて、降参した。
「焼こうかしら! 煮てしまおうかしら!」
狂気の巨大化イメージの闇エリの目は本気だ。
「キャア! お許しください!」
「なんでもしますから!」
泣きながら頭を下げて許しを願う。
「なんでもしてくれるの?」
「はい! なんでもしますからお許しを!」
「触ってもいい? ペチャ。」
「キャア!?」
「光くん!?」
「神ハラするな!」
「エリちゃんを泣かせるな!」
「ギャア!」
神ハラした俺は、福ちゃんとエリザベスに、ボコボコに殴られ湯気をだして、ピクピク倒れている。
「折り神。」
「はい、なんでしょう? 」
「とりあえず、牢屋に入れて閉じ込めて、反省してもらいましょう。」
「牢屋を作りますね。エイ!」
折り神は、折り紙をきれいに折っていき、牢屋を完成させる。
「折り神、ありがとう。」
「いえいえ、この世界で長生きの秘訣は、闇エリさんに刃向かわないことです。」
折り神は、処世術を心得ている。
「さぁ、あんたたちは牢屋で反省してなさい!」
「はい・・・。」
こうして風神雷神は拘束された。
「あれ? 光くんがいない?」
「エリちゃん、あそこ・・・。」
「・・・。」
エリザベスは、牢屋の方を指さした。闇エリは
「キャア! こっちに来るな!」
「この変態! ストーカー野郎!」
「なんでもしてくれるんでしょ? 触らせろ! ペチャ。」
「ギャア!」
神ハラの常習犯の俺にとっては、牢屋の中はパラダイスだった。やったね!
つづく。
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