第35話 風神雷神の転
「おまえの死は無駄にはしない!」
起。
俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。
「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」
と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?
富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。
不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。
先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?
なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!
光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?
俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!?
どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?
1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?
紙神が降臨された。トイレットペーパーの神、ティッシュ神、折り神・・・おもしろいようで、おもしろくない!? ということで、マジメに風神雷神から、神チャレンジを始めることにした。風神は風の神ではなく、風邪の神だった。おまけの雷神の、おもしろいボケが浮かばない!? 困った!?
雷神・・・来診・・・医者か、看護婦になってしまった。紙神の犠牲もあり、福ちゃんが、俺から風邪という不幸を取り除いてくれた。さあ、ここから福の神と貧乏神の恐怖の反撃が始まる!?
承。
「風邪が治った!?」
「貴様の風邪は、私が頂いてやったのだ!」
「ありがとう! 福ちゃん!」
「光くん、よかったね!」
「またトイレに走らないといけないことにならないといいね。」
「風邪だから高熱を出して、寝込むんじゃない?」
「助けてやったのに好き勝手言うな!」
「キャハハハハ!」
俺の風邪は不幸だったのだ。俺に憑りついている福の神は、俺の不幸を食べて体調に不調をきたすのだ。
「こらこら、私たちを忘れるな!」
「そうだ! そうだ!」
風神雷神がすねて騒いでいる。
転。
「別に忘れている訳だはないのだよ!」
「なに!?」
「既におまえたちは、エリザベスの貧乏に憑りつかれているのだ!」
「なんだと!?」
風神雷神を貧乏なオーラが取り巻き、幸福を寄せ付けない。
「あなたたちに勝利という幸せはやってこないわ! 幸福はすべて汚してあげる。エヘ。」
「なんでそんなことができるんだ!?」
「だって私は、貧乏神だから。」
「貧乏神!?」
この少し異様な関係に風神雷神もお互いに顔を見合わせて気づき始めた。
「おかしいだろ!? 福の神と貧乏神が一緒にいたら!?」
「おかしいと言われても・・・ね。」
「ね。」
「私たちの憑りつき先の人間同士が彼氏彼女になっちゃったんだ!」
「そんな、アホな!?」
「そうだ! そうだ! のどさくさ関節痛ピリピリサンダー!」
「卑怯だぞ!? しまった!? 油断した!?」
雷神のサンダーが、俺を襲う。
結。
「え!?」
雷神は、目を疑った。サンダーは俺から向きを変え、福の神の大きく開けた口に呑み込まれていった。プワーと福ちゃんは、満足そうに一息つく。
「おいしかった!」
「食うなよ! 人のカミナリ!」
「実に美味であった。」
「なんなんだ!? こいつらは!?」
「俺には対する不幸は、効かないのだ! なんたって、俺には福の神が憑りついている!」
「貴様が偉そうに言うな!」
「福ちゃんのおかげです!」
「分かればよろしい! ワッハハハハ!」
風神雷神は悟った。こいつらに関わらない方がいいと。
「ここには、いない方がいいぞ・・・。」
「そうだな・・・アホが移る・・・。」
差し足、忍び足でコッソリ逃げようとするが、
「うわぁ!?」
「キャア!?」
バナナの皮を踏んでドテッと尻餅をついて、転んでしまった。
「誰だ!? こんな所にバナナの皮を捨てたのは!?」
「忘れたの? あなたたちには貧乏神が憑りついてるのよ。私の男に手を出した女は、神だろうが許さない!」
「こ、怖いよ!」
「助けて! 神様!」
神は、おまえたちだ。フフフ・・・と闇エリが風神雷神を上から巨大化して見下している。
つづく。
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