第6話 6 世界設定

「ああ~、いいな・・・レア」


ブッコは学校の帰り道、下を見ながら落ち込みながら歩いていた。渋谷EEGgamesにとりあえずログインはしているので、視覚にゲーム画面が割り込んでき、雑魚キャラの渋谷の栄養満点カラスが出てきても、


「ああ~、私には、いつになったらレアはやって来るのだろう・・・。」


いじけているブッコの脳波は、雑魚キャラにすら勝てないというよりも、戦闘は放置状態で勝手に倒されて負けていた。


「YOU LOST」


脳波ゲームは、本人の精神状態が大きく関わってくる。戦う気や、やる気がないとゲーム内のSPのキパゲマも扱うことができず、雑魚キャラにすら一方的に負けるのだ。


「はぁ・・・どこか元気をくれそうな場所に行こう。」


渋谷EEGgamesは、VRの位置情報ゲームである。渋谷だけでログインできる最新技術の脳波で遊ぶゲームである。渋谷には、日本人だけでなく、世界中の人々がスクランブル交差点と渋谷EEGgamesを楽しみに世界中の人々が観光旅行にやってくる。


「どこにしようかな?」


ゲームポイントとして、プレイヤーを元気にしてくれるスポットとして、ロフト、東急ハンズ、ドンキホーテなどの着ぐるみパジャマを現実にも販売している店舗が協力してくれている。


データのクラウド管理は、渋谷区役所が管理。ゲームの治安維持は、渋谷警察が、警視庁サイバー犯罪対策高校に委託。ゲームの現実プレゼントの支給品の配達は、渋谷郵便局が。ゲームの傷や病気は、病院で直してくれる。HPがダメージを受ければ、スタバでコーヒーを飲んだり、マクドナルドでハッピーセットを食べたり、レストランや喫茶店で食事をすればいいのである。映画館では、自分のプレイした画面を大型スクリーンで上映してくれるサービスもある。


渋谷には3店舗百貨店があり、ダンジョンとして、連日の大勢の人が詰めかけ賑わっている。渋谷区ということで、新宿の高島屋が、ゲームの開発先である、松濤財団と新規参入交渉を行っているらしい。脳波ゲームの技術は、松濤財団の独自開発で特許も取り、現状は他の誰も脳波ゲームを使用することはできない。


今では、ゲームに関係の無さそうな、銀行、ドラックストア、旅行会社、ファッション、不動産会社などの、ありとあらゆる業種が、渋谷EEGgamesの人気と売り上げに着目して参入している。


一種の保護主義、渋谷のブロック経済であり、日本のGDPはマイナス成長を続けていたが、渋谷区は、港区を抜き、渋谷だけの成長率は300%を超えていた。渋谷に住んでいる渋谷区民は、減税などの恩恵を受けている。


「ここにしよう~♪」


ブッコは、笑顔になりたくて、寄り道をして行くことを決めた。


つづく。







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