第2話 2 渋谷 EEG games

キーンコーンカーンコーン!


授業が終わり、休憩時間になった。


「どうした? ナスビ?」

「ん? ハチ公か・・・。」


紫茄子男は、つまらなそうに遠くを眺めていた。すると友達の渋谷ハチが声をかけてきた。


「ゲームっていっても、絶対に勝つからおもしろくないんだ。」

「それは仕方がない。俺たちは警視庁サイバー犯罪対策高校の生徒なんだから。」

「僕はパソコンとかプログラミングが好きだから、入学しただけなのに・・・。」

「本当の警察は、海外からのハッキングの対策に追われているから、ゲームの世界の治安維持くらいは、ちょうど学生の実技課題としては、ちょうどいいんだろう。」

「でも生徒には、警視庁から特殊なアカウントが用意され、絶対にゲーム世界では勝ってしまう・・・、こんなんじゃ、楽しくも何ともないよ・・・。」

「いいじゃん、勝てるんだから。今日のボスの織田信長が倒せなくて、悲鳴をあげているプレイヤーは多いはずだよ。」

「いいもん、帰ってから一般参加して、ナスビの着ぐるみパジャマで、茄子を飛ばして、織田信長を倒しまくってゲットするんだ!」

「ハハハハハッ! ナスビはゲーマーだな。俺は育成が面倒臭いから、警視庁アカだけで十分、他ゲーをやっとくよ。」

「それにしても、最新技術のゲームなのに、接続が渋谷でしかできないなんて。」

「渋谷もネット通販に押されて、過疎だったから活気が戻ってよかったんじゃない?」

「すごいよな~、こんな脳波ゲームを誰が考えたんだろうな。」


紫茄子男がプレイしていたゲームを紹介する。


タイトルは、「渋谷 EEG games」(渋谷脳波ゲーム)。


「渋谷 EEG games」の内容は、


拡張現実(AR)、位置情報ゲーム、現実の世界を舞台、捕獲・育成・交換・バトルを楽しむことができる。基本プレイは無料だが、一部課金アイテムがある。


思考ゲーで、現代的にスマホのアプリをダウンロードで、現実世界が、ゲームの舞台になる。ただしプレイできるのは、現在は渋谷だけに限られている。


スマホから電波が出て、脳に直接電波を送りゲーム画面を映し出す。

スマホの画面ではなく、人間の目にゲーム画面が写る。

宇宙人のスカウターも、重たいVRメガネも要らないのである。


ということで、普通に道を歩いていて、モンスターと出会う。

そして、戦う。


思考ゲー、脳波ゲーなので、現実にパンチやキックをする必要がない。

恥ずかしくないのだ!


「いけ! ミサイル!」


と念じればいいのである。画面上には、ミサイルを持ったプレイヤーのアバターが、プレイヤーの脳波を受信し、ミサイルで攻撃をし、敵を倒すのである。人間の脳波で遊ぶことができる、ARで位置情報ゲーとして、体験できるゲームである。


つづく。

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