拾の戦 ≪ そういう役の男 ㊦

 




■ 狂犬グループの中層構成員

  絵面えづら 清貴きよたか ── 続ける





いひゃい。痛い……』


 大の字に仰臥ぎょうがする寄居枝忍よりいしのぶは、失った滑舌で悶え続けた。


『じゃまぁみよ……あひのほうはいひぇやいぇえか……あひいひぇえ……おぇ……負けひぇいぇえ……負けひぇいぇえ……』


 ポリバケツに投げこまれてなおも彼は意味不明なスペルを唱え、しかし虫の息は長く続かず、やがてぱったりと止んだ。


 彼をその場に放置して集会所へと帰投。巣南重慶すなみじゅうけいと大隣憲次に経緯の一挙一動、一言一句を漏らさずに伝えていると、


『強くなるかもな……寄居は』


 嗚咽のように潰れた声でそう呟いたのは、ステージ上でターンテーブルを起動させている新垣契永にいがきせつなだった。グレーのパーカー、そのフードをすっぽりと頭に被っていたから表情こそわからなかったが、苦虫を噛み潰しているかのようだった。


『なにか言いましたかセンパイ?』


 ホールに響くようにわざと大声で絵面が尋ねると、いや、なんでも──そう言ったきり、彼は口を封じた。


 新垣契永、京師航きょうしわたる、寄居枝忍、どうやらこの3人は気が合うらしく、一緒にいる場面を頻繁に目撃している。そこに幽霊部員と化している鐙谷董吉あぶみやとうきちを入れてカラオケやタワレコに行くのだとも耳にする。


 冴えない四天王。


 しかしながら、お友達をなぶった仇がすぐ目の前にいるというのに、怒りを露にするでもなく口を噤む──情けない先輩を心から嘲笑するばかり。


(駒ごときがなんのツイートっスか?)


 奇人と幻影、畏怖を集める幹部を前に、絵面はただ込みあげる軍師の喜悦に浸り続けた。





   ◇





「GOぉッ!」


 フラストレーションもマキシマムな獣をけしかけ、けしかけ甲斐もない早とちりなスピードでかたわらの影が1歩を出した、ちょうど同じタイミングのことだった。


 ぷ。


 律儀に着こなされるブレザーが翻る。その振り向き様に為されたある行為により、こういう時だけ頼もしい銀鏡和毅しろみともきの勇み足はいとも簡単に食い止められていた。


 マスクの顔面に、


「おっ!? おっ!? おっ!?」


 つばを吹きかけたのである。


 しかし、当の銀鏡はなにをされたのかをすぐには察することができなかった様子。おもむろに顔を拭うと、匂いまで嗅いだ。それもそのはず、喧嘩をする前にガンを飛ばしあったり胸座むなぐらを掴みあったり──ヤンキーの世界にありがちな儀式とは無縁のままに生きてきた獣である。そんな無益なコミュニケーションなんかのために柔らかく待機していられるような気立てのよい森ガールではなく、およそ初体験なのだろう挑発行為にしばし思考をフリーズ。


 と、ふっと百目鬼歌帆が嘲笑した。左の口角だけをあげ、いかにも得意そう。その顔を見てようやく銀鏡は馬鹿にされたと感じ取ったようだった。


「てめン……どンめき!」


 呼気とともに低く唸る。ゆら。雪柳の歩を踏み出そうとして、しかしまたしても彼はせんを浴びることとなった。


 右足が着地する一瞬の無防備を突かれ、素早く間合いを詰められていた。反射的に身構える銀鏡だったが、どんッ、身構えた身体ごと両手で押し返されて軽軽と後退、背後にいた絵面と衝突。絵面もまた軽軽と後退し、今し方まで銀鏡の暴行を必死に食い止めていたショーウィンドウに後頭部を強打。


「でッ!」


 頭を抱えて崩れ落ちる。


 にわかにブレる視界の隅で、百目鬼の影がさらなる追い討ちをかけていた。


 ぱんッ。


「あがっ!?」


 楓の右掌で、銀鏡の頬をビンタ。


 衝撃でマスクの片側が外れ、右耳にぶらさがる。それはわずかに前後に揺れると、すぐに握力を失い、ぱさん、床に伏臥ふくが


 ひさびさに見る、銀鏡の素顔。


 面皰にきびに荒れるクレーターの皮膚、窪んだチーク、魔女のかぎ鼻、色みのない薄い唇、有機溶剤の吸いすぎで麻雀の点棒のように細ってしまった前歯──ハゲワシをほうふつとする病的な素顔。


 新鮮な挑発を立て続けに浴び、茫然とするハゲワシに向かって百目鬼は、


「あっはは」


 腰に手を当てて前屈み、目と鼻の先からフェザーな嘲笑を浴びせかけたのである。高慢そうに口を弛ませ、これ以上にないほど人を虚仮こけにした表情。


「んー!」


 瞬間湯沸器。にわかに激昂した銀鏡は、その顔を目掛けて左フックを繰り出した。ところが百目鬼、予定調和のダッキングで空を斬らせると、ぷんッ、今度は左の眼球に唾の鉄砲を。


 思わず顔を逸らす銀鏡。その痩せた右の頬を彼女は力強く摘まみ、引っ張り、解放したかと思えば左の口角に右の薬指を引っかけ、引っ張り、また解放、間もなく右の耳たぶを摘まんで引っ張り──右に左に、いとも簡単に揺さぶってみせる。さらには左脚まで差し出し、引っかけて転がしてみせた。


「んー! んー! んー!」


 玩具を買ってもらえなかった子供のように熱狂的に跳ね起きようとする銀鏡。すると百目鬼、素早く距離を詰め、ごッ、その出会い頭に頭突きを喰らわせて尻餅をつかせる。そうして再び腰に手を当て、


ぅわ……」


 溜め息。


「よくもまぁそんな弱さで」


 眉間には縦皺の呆れ顔。


「生き延びてこられたものです」


 優等生とは思えない、砕けた顔。


「好運がもたらした富や順境は素直に享受せよ、ただしそれを手放す時には決して渋るべからず──彼のアウレリウスはそう仰有っていますが、それが正しいのであるとすれば、さて、今のあなたにはその覚悟がおありなのでしょうか?」


 いくら中野ブロードウェイの客が夢中の遊牧民であるとはいえ、さすがにここまで乱痴気が過ぎると足を止めてドヨめくのが常。誰も彼もが遠巻きに眺め、ある者は固唾を飲み、またある者はスマホを探し、またある者はフラッシュモブなのではないかと訝ったりしている。


 この騒ぎ、銀鏡の手によって創らせる手筈だったのに、よもや、くのいちのほうで派手に創り出そうとは。


(ダメだ。なんか勝手が違う)


 優等生の顔が素顔なのか、闇討ちの顔が素顔なのか、こうして表舞台でも怯まない顔が素顔なのか、他にどのような顔を隠し持っているのか、なんとも把握しかねる。


 というよりも、


(把握させない顔が素顔なのか?)


 そう考えれば腑に落ちる。なにせ彼女は忍者部隊の道理を継承しているのだから。敵を騙してナンボなのが忍者の流儀である以上、変幻自在の百面相こそが彼女の本質なのである。ならば、人相を変え、髪型を変え、身形みなりを変えることのみがスキルにあらず、スタンスか、あるいは生き方さえも都度都度に変えて見せるのかも知れない。


 この時、絵面は、


(……幸せなのか?)


 ふと、そんなことを思った。


 場合によっては生き方さえも変えるのである。もちろんはべらせる君主にとっては頼もしい限りだろうが、しかし、友愛としてはどうだろう?


 恋愛としては?


 親愛としては?


 素顔なき者を、誰が友として迎える?


 恋人と、伴侶と、家族として迎える?


(それで幸せなのか?)


「さて」


 アルトサックスのような音色により、絵面の思考は遮られた。


「今から、私はあなたに背中を向けます」


 腹式呼吸のよくできている管楽器の主はそう告げると、尻餅をついたままの銀鏡に向けて有言実行の広い背中を見せた。


「もしも覚悟がおありでしたら、背後から撃つもよし、蹴るもよし、絞めるもよし、自由にされるがよろしい。ただし──」


 そして散歩の歩幅で、


「いくら自由であるとはいえ、反撃される可能性もまた否めませんで、どうぞ細心の注意を払ってお襲いくださいませ」


 遠ざかり始めたのである。


 そんなの罠に決まっている。背後からの襲撃に対抗する技術など、初歩中の初歩として修めているに決まっている。


(策を練りなおさないとダメだ)


 ここは後退するが最善。安易に乗っては彼女の思う壺である。


 が、


「んー! んー! んー!」


 今の銀鏡にそれは無理。


(クソッ。痛いところを突きやがる)


 激昂の勢いで跳ね起きた彼だが、蹈鞴たたらを踏んだままで襲いかかりに行けない。待機できない馬鹿なのに、背後から襲うことを危険だと悟っている。左右に揺さぶられた先ほどの経験が、危険だと、彼の拳闘士の本能を戒めているのである。


 退けない。でもけない。


 ということは、視界から百目鬼の陰影が消失した時こそ、彼の、我慢の限界。


(決着の時……?)


 彼女の後ろ姿が早稲田通りサイドに吸収されようとしている。商店街とは別、中野ブロードウェイ内にある各店舗の従業員が事務所や倉庫として利用する、4階特有のエリア。利用されない場合にはことごとくシャッターがおりている静かなエリア。たまに従業員が往来する程度、無名の若手芸人がネタの練習をする程度のエリアである。


 忍者のエリアなのである。


「乗るなよシロ。罠だよ罠」


 二人三脚で狂犬グループに仕えてきた。でも、ひとたび逆上した銀鏡を止められたためしはなかった。止める腕力もなければ響かせるロジックもなかった。彼の暴力が息吐くまで、呆れ顔のままで静観するより他に術がなかった。


 限界を迎え、間違いなく彼は駆け出すはず。そして思う壺、百目鬼の忍術に屈伏するはず。非常識な銀鏡のリングにあげ、自分は高みの見物で、彼女を手負いの虎にしてヒナ高へと送る──絵面の目論見は、あっさりと水泡に帰すはず。


 止める術などない。百目鬼の、止められなくする術のほうが遥かに優れている。


「ガマンだよガマン」


 絶望的な心持ちである。いっそ銀鏡を見限って帰りたくもなる。しかし、彼の、百戦錬磨という事実が一縷いちるの期待となって脚にしがみつき、蹈鞴を踏ませている。


「行くなよ。ガマンガマン」


 百目鬼は、


「行くなよ。ガマンだシロ」


 角を折れて消えた。


「んー! んー!」


 絵面の計算は、


「シロガマンッ。ガマンガマンガマ」


 狂いなくあたった。


「んんんんんんんんんんんんんん!」


 火矢のように駆け出す鬱憤の塊。背中を仰け反らせて斜め上を仰ぎ、肘を直角に、両手の指先をぴんと伸ばし、そして大きなストライドで、まるで残り10mを切った短距離走者のフォーム。


「ああッ。んもうッ!」


 望まない的中に頭を抱える絵面。しかしすぐにジーンズのお尻からスマホを出し、手早く上司にコール。と同時に、忍び足の駆け足で銀鏡の後を追った。


 そういえばなにか……床から消えている物があったような気がする。


 いや、気にしている暇なんてない。


 百目鬼が消えてからおよそ5秒、銀鏡もまた角を曲がって消えた。わずかに遅れて絵面も角に到着、電話を左耳に当てながら恐る恐るに先を覗きこむ。


 廊下は、すぐに左へと折れていた。


 再び、怖怖おずおずと角の左側を覗く。すると、廊下は数mの直線を伸ばし、そこで2手に分かれていた。片や左側に折れるエレベーター通りで、片や前方に伸びる細い廊下──眼科の門前へと続いている。


(どっちだ?)


 逡巡しゅんじゅんするも、左側の先から銀鏡のものと思しい跫音が響いてくる。絵面は本能的にその音を──相棒をチョイス。


 と、ちょうどその直後だった。


「あらあら。まだ無事なのねン」


 左耳に、男の声。


 上司──最高幹部の巣南重慶である。


「てことは首尾は上上なのン?」


 地を這うように低い声でありながらも、いつも鼻にかかったオネエ言葉。


「それとも遊ばれてる途中かしらン?」


「いえ。あの。まぁ。なんと言いますか、とりあえず伝えることは伝えましたんで」


 さすがの図星に焦りつつも前進。右側の壁に張りつくようにして左を覗く。


 ビニル袋を被るトルソーを7~8体、養生用の発泡剤が入る巨大な袋を3袋、小さな消火器を隅に固まらせ、またもや廊下はすぐに右へと折れていた。直線の少なさに深い苛立ちをおぼえる。


「ふうん。で、百目鬼はどうしたのン?」


「あー。いえ。あのぅ。今は。ええっと」


 しどろもどろになりながらも前進、右に折れた先をうかがう。と、ここでようやく長い直線を拝まれた。白や青のシャッターで左右を挟まれながら一直線に伸びている。


 たばかったように誰もいない。


 呼吸を止めるトルソーたちを左に看過し、忍び足で廊下を進


(ん?)


 仄かな、シナモンの香りを嗅いだ。


 前からではなく、背後からだった。


(え? 背後?)


 ゆっくりと、反時計回りに振り返る。そして絵面は、思わず息を飲んだ。


 いつの間にか、トルソーが立っていた。


 1mの距離、半透明のビニール袋をすっぽりと被った1体のトルソーが、群れを離れ、ぽつねんとたたずんでいる。頭部も手足もないベージュの木塊ながら、乳房の膨らみはあり、狂気的な女の怨念が生んだストーキングの末路のよう。


 シナモンの香りがさらに増している。くらくらと、甘美な媚薬。


 きりきりきりきり──背後、なにかの軋む音がする。まるで布を引っ張るような窮屈な音。


 ゆっくり、怖怖と、反時計回り。もとの方角を向く。


 女が立っていた。


 吐息の届く至近距離で、絵面の目を覆うようにして左の手相を向けていた。そして右手は、自分の右耳のあたりにまで引き、まるで弓のつるを絞ってでもいるかのよう。


 目の前、左手の親指に、なにか白い物が引っかかっている。


「……キヨ?」


 巣南の、低い問いかけ。


 ぴしッ。


「いがッ!」


 左目に激痛が走った。


 射られたともわからず、ただ激痛のままに上半身を縮こまらせる。はずみで、けしゃッ、携帯電話を落とすも、拾っている余裕など微塵もなく、彼はただ発作的に女に背中を向けていた。もちろん、銀鏡のかけていた使い切りマスクを矢の代わりにされたなんて思いもしない。


 と、


「わッ! わッ!」


 左の脇腹に首を挿しこまれた。股間から右手を這われ、右の太ももを掴まれる。右腕を左の脇に挟まれる。そして天高く、豪快に担ぎあげられた。


(ちょ。ちょっと待っ)


 なにをされているのか、わからない。


「寄居さんの襲撃を企画したのもあなたなんですってね。野呂さんに聞きました。ああいう方ほど意外と事情通」


 藻掻いても、藻掻いても、びくとも、


(なんで!? なんで僕ッ!?)


「誰の威を借っているのかは知りません。ですが、あまつさえ人質まで取ろうとは、やりすぎだと思いませんか?」


 彼女の体力、腕力、体幹、メンタル、


(相手はシロだってばぁ!)


「しかも我我から奪還せよと胸を張って宣言なさる始末。ですので相当の覚悟がおありかと思い、先ほど尋ねたのですが」


 冷たい、汗が、脂汗が、


(殺るんならシロ! シロを殺って!)


「しかし残念ながら、あなたはここに来てなお、誰かに守られ、安穏と高みの見物を楽しまれると信じているご様子」


 女の声、淡淡と、鋭く、


(僕は、僕はじゃないッ!)


「覚悟なき梯子はしごは底にかかるのですよ。仰いだところで昇れやしません」


 顎に、手が、シナモン、


(暴! 力! 反! た──



 ⇒ 同日 ── 19:XX

   東京都中野区中野5丁目

   中野ブロードウェイの4階にて



 ──こうして、絵面は奈落へと、脳天からまっ逆様に投げ落とされた。顎に左の掌を添えられ、押しつけられながら、奈落へと。


『鬼門陰陽流古武術 ─ 巌断いわおだち』


 もちろん、手加減の投げである。しかし絵面が背負ったものは、頭頂骨亀裂骨折と左耳の鼓膜損傷、そして長きに渡る偏頭痛との共同生活、見舞い客に恵まれない孤独なリハビリ生活。


 さて。


 ここから先は、病床の上、とある人物から聞かされたことである。


 絵面が倒された直後、彼の来たほうから再び銀鏡があらわれた。血眼になって追いかけたはいいが、ブロードウェイ通りにまで及んでも見つけられず、ぐるりと周回、よもやの2周目に突入したのである。


『どンめきっ!』


 ロケットスタートを切る銀鏡。と同時に百目鬼も駆け出し、まず蹴り飛ばしたのは孤独なトルソーだった。彼女のタックルをモロに浴び、急ブレーキのロケット。さらには、その隙に重たいボディブロウが突き刺さる。


 この1撃で銀鏡のボクサー魂は甦った。全身を畳みながらもボックスをつくると、垣間見た敵の顔面に渾身の右ストレートを繰り出す。すると彼女は、狙っていたかのように頭を振りおろし、


 ごぢゃッ。


 自らの額を叩かせた。


 右拳、粉砕。


 額で拳を破壊する──ボクシング創世期には頻繁に使われていた技術である。


 百目鬼は休まなかった。骨の飛び出した相棒を愕然と見つめる銀鏡、その首を右の脇腹に拿捕だほ、背中を反らして一気に絞めあげる。教科書どおりのフロントチョークに彼の頸椎けいついは悲鳴をあげ、必然、爪先立ちの悶絶。やおら、さらに彼女は左脚を振り子とし、蹴り出しの反動で勢いよく尻餅をついた。


 ぴきッ──頸椎から異音。


 プロレス技の代表格『D.D.T.』である。


 お尻を高高と突き出して滑稽な土下座を演じ、銀鏡もまた昇天。


 これにて、鮮やかに勝敗は決した。


 絵面の思った通り、クライマックスの前哨戦としては上出来すぎるセレモニーとなった。自分自身が進水式のシャンパンになるとは夢想だにしていなかっただけで、しかし、幹部にとっての朗報には違いない。


 つまり、結局、駒は駒である。支配者のラグジュアリーに役立てられるというだけのこと。


 では、もしも絵面に、天を目指す梯子をかけるチャンスがあるとするのならば?


『幸せなのか?』


 あの問いに挑戦せねばなるまい。


 だが、軍師の物真似に酔い痴れ、そこを高みと勘違いするあまり、生命いのちの土壇場に立ってなおも役を降りたままでいた彼のことである、きっと永久にそれをすまい。





   【 了 】




 

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