赤の舞姫と氷の騎士
葉月透李
主な登場人物
<癒しの花園とは>
王城で働く騎士たちが寝泊まりする寄宿舎。
そして多くのメイドが騎士に奉仕をしている。世間の女性の扱いを深刻に考え、尚且つこの国を支える騎士によりよく過ごしてほしいと、王女がこの場所を提供した。またここを出会いの場と考え、健全に幸せな家庭を築いてほしいという願いもある。そのため、決められた規則を守らなければならないし、メイドも騎士も座学に励まなければならない。なかなか厳しく、徹底されている。
今ではメイドと騎士が結ばれることも多くなったが、最初に祝福を受けたのはルベンダの父(現・騎士団長)と母(メイド兼踊り子)である。
ルベンダ・ベガリニウス
十八歳。流れるような長い赤髪に神秘的な紫の瞳。少女。
「癒しの花園」と呼ばれる騎士たちの寄宿舎で働いているメイド。有名な踊り子であった母と容姿が似ており、それなりに美人な方。だが性格はかなりの男前。言葉口調も男らしく、昔から体を鍛えており武術が得意。力仕事を専ら担当。体力には自信はあるが、頭の方は全く。なのでティルズによく馬鹿にされている。母が働いていたから、という理由でメイドになった。まだまだ異性に対してあんまり意識しておらず、仲間意識の方が強い。ティルズとは過去に面識があり、未だに苦手に感じていたりする。が、もっとよく知った上で理解したいとは思っている。
ティルズ・ハギノウ
十七歳。煌めく銀髪に鮮やかなサファイヤの瞳。少年。
王城の騎士になったばかり。鼻筋が良く、切れ長のいい目を持つなど整った容姿の美少年。いつもは無愛想なのか、無表情が多い。「王立騎士学校」で最年少で卒業した秀才。侯爵家の生まれでもある。その高貴な身分と誰にも構わず言いたいことをいう様子から、「氷の貴公子」という名で呼ばれるようになる。ルベンダとは会った当初から嫌味を言っており、今も健在。ただ、苦し紛れに言われた「年上には敬語を!」の言葉は律儀に守っている。寄宿舎に入ろうと思った理由は特にない。結婚についても、幸せについても、あまり考えたことがない。とりあえず入った、という感じ。ルベンダに対してはよく小馬鹿にはしているものの、良く思っている部分もある。ちなみに甘い物が大嫌い。
ニスト・ガトー
十七歳。ショートカットで落ち着いた茶の髪に、たれ目がちな橙の瞳。少女。
ルベンダと共に働くメイド。後輩の立場にある。真面目で一生懸命で、掃除、洗濯、給仕、どれに対しても完璧。また控えめで大人しい。個性の強いルベンダとシャナンの傍にいることが多いが、二人のことは尊敬している。でも少し、お世話が大変だと思ったりしている。特にシャナンに対してツッコむことが多く、二人で行動したりするのもしばしば。見た目的にも割と地味な方だが、物おじしないで自分の意見をきちんと言えるタイプ。メイドになった理由としては、人の奉仕をしたいから、少なからず幸せになりたいから。
シャナン・エアグローブ
二十歳。ウェーブかかった髪に、同じ桃色である大きいぱっちり二重の瞳。女性。
ルベンダと共に働くメイド。一応先輩という立場ではある。数々の恋愛を体験したお姉さんで、言わずとも知れた美貌の持ち主。色んなことを経験し、そして学んだため、今ではそこまで恋に執着していない。むしろしっかり清算したいとも思っている。そしてあわよくば幸せになりたい、という理由でメイドになったが、今の自分では無理だと諦めている。そして仲間であるメイドたちの幸せを一番に願っている。情報、噂収集が得意。観察好きで、常にこっそり隠れ色々覗いたりしている。割と言いたいことははっきり言うタイプ。
スガタ・ガイセン
?歳(第十五話で出てきます)。こげ茶の短髪に琥珀色の瞳。
ティルズと同じく騎士になったばかり。長身で大人っぽい考えを持つ、と思いきや意外と中身は子供。しっかりしてはいるが、そのせいでよくティルズに突っ込まれたりしている。不幸体質という、あまりにも見ていて可哀相な目に遭うこともしばしば。方向音痴でもあり、知っている場所でも迷うことがある。そして人を巻き込んでしまったりする。それでも性格は温厚で人からは好かれている。ふいに見せる笑顔が素敵らしいのだが、本人は気づいていない天然人タラシ。幸せな家族を築きたいという理由で寄宿舎に入る。顔に似合わず甘党。
クリック・インジョウ
十九歳。鮮やかな橙の髪と人懐っこい茶の瞳。青年。
城下で営む商人。本当は騎士志望だったが、父親に後を継ぐように言われたために王立騎士学校を卒業できなかった。頭は長い布のようなもので隠されており、前髪や後髪が少し見える程度。全身的に茶色っぽい、身軽そうな格好。学んで鍛えたことは使おうと、「城下の番人」として城下の平和を守っている。昔は一人で行っていたが、今では仲間と行っている。けっこう軽くて誰とでも仲良くなれるタイプ。ルベンダとはよく城下で会うため仲がよく、シャナンとは情報交換のためそれなりの仲。自称ティルズの親友。ティルズも否定はしながらも、クリックの話はよく聞いている。今は騎士ではないが、「癒しの花園」で行われている講義を勉強したり、規則にのっとって結婚したいと考えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます