ガンレット!

苦無

第一章 水泳

第二東京学園都市。1960年代高度経済成長により東京の人口増加、約1000万人もの膨大な人口を抱えていた東京都は学生と社会人を分別し人口増加を防ぐ「学園都市」計画を始動した。

そして現在千葉県の2分の1が第二東京学園都市となっている。

学園都市は小学校から大学院まで全寮制で基本的には学園都市内で生活をする。

そして学園都市は34の学区に区切られている。



第一章 水泳

「見ろよ零今日も見学してるぜ」

「サボってる僕たちの言えることかよ」

「だって俺プール嫌いなんだもん」

「ほほ~とか言って実は泳げないとかじゃないのか?」

「お、泳げるし!」

この二人は緑ノ水高校一年生の神田疾風と田端京東だ。

疾風は反対側で水泳を見学している三澤零の事が気になっていた。

「なあ京東、零がプール入ってるところ見たことあるか?」

「無いな」

「だよな~」

「あ、さてはあいつの水着姿見たいんだな?」

「なわけあるか」

二人はそんなたわいもない話に花を咲かせていた。

まあプール入りたくないだだろ。

京東はそう思っていた。

しかし実際はそうではなかった。

 水泳の授業が終わり二人は教室に戻った。

「飯だ!飯だ~!!」

「ったくよ元気すぎんだよ疾風は」

めんどくさい授業も終わり疾風はテンションMAXになっていた。

そこへ零がやってきた。

零はテンション上がりっぱなしの疾風と冷静沈着な京東を見てこう言った。

「今日の放課後暇?」

その言葉に疾風は反応した。

「お、零じゃん。何々?!デートのお誘い?」

「バカか?どう考えても僕たち二人に言ってるだろ」

疾風の反応に京東は呆れたようにそういった。

少しキレ気味の口調で零はこういい返した。

「暇なんだね?じゃあまた放課後」

そういうと零は立ち去った。

「怒らせちゃったかな?」

「疾風ってホントバカだな...」

そして放課後になり三人はファストフード店に入った。

「誘ったの私だしおごるよ」

「いいのか?じゃあホットドッグ一つとコーラ!」

「僕もお言葉に甘えて。じゃあ生姜サイダーで」

注文した品を持ち三人はテーブルに着いた。

「そんでなんで俺ら誘ったんだ?」

疾風は零にそう質問した。

「疾風はもうわかってるんでしょ?」

「ああ、その腕義手だろ」

京東は疾風の言ったことに耳を疑った。

「な、なに言ってんだよ疾風。どう見てもあれは普通の腕だろ」

動揺する京東をよそに疾風は話をつづけた。

「零、それ最新の筋電義手と電子義足だろ?」

「もうバレてるとは思ってたけどなんでわかったの?」

「まあ俺の想像は二通りあったんだけどその片方に確信した」

「二通り?」

零は首を傾げた。

そこで疾風は二通りの説明を始めた。

「手に感覚無さそうだったから最初は無痛症だと思ってたんだけど零の手ではある事が起きてなかったんだよ」

「ある事?」

「静電気の放電だよ。静電気放電してなかったから義手って確信した」

もはや疾風が何を言っているのかわからない京東は茫然としていた。

「んでなんで義手と義足なんだ?」

そこで疾風は気になっていたことを聞いた。

「昔爆発事件に巻き込まれて無くした」

「そういう事だったのか」

ここで京東は疾風に質問した。

「ちょっと待て、疾風はなんでそんなに色々詳しいんだ?」

「言わなかったっけ?俺両親共医者だからそういうのは昔から教え込まれてたからよく知ってるんだぜ」

「まるでいつもとは別人だったぞ...」

三人は食事を終えてファストフード店を後にした。

「二人はこの後どうする?」

零は京東と疾風に聞いた。

「ゲーセンでも行くか?」

結局三人は近くにあったゲームセンターに行った。

ゲームセンターに入ると疾風は早速あるゲームをやり始めた。

「見ろよシュートワールド3があるぜ!!」

「シューティングゲームか、疾風こういうの好きだもんな」

「やるか」

そういうと疾風はそのゲームに200円入れゲームを始めた。

数分後疾風はコテンパンにやられていた。

「なんだ疾風弱いじゃん」

「じゃあ零もやってみろよ~!」

「私が?まあいいけど」

零はカバンを置き銃型のコントローラーを手に取った。

すると零は凄まじい勢いで敵チームを全滅にした。

「制圧スピード世界一だと...」

疾風は驚きすぎて開いた口が閉じられなかった。

愕然とする疾風を見て零はこういった。

「こう見えて私一人称視点のこういうゲーム結構得意だから」

疾風は更に驚いた。

「意外すぎるだろ」

そんな疾風を見て京東はニヤっと笑いあるゲームを指さした。

「あれやろうぜ」

京東が指をさしていたのはパンチングマシンだった。

すると疾風は自信満々にこういった。

「あれなら絶対負けねぇわ」

そう言い疾風はグローブをはめてパンチングマシンを殴った。

「200kgか、結構良い数字出たぜ」

「そうか、じゃあ零もやってみて」

零はグローブもグローブをはめてパンチングマシンを勢いよく殴った。

「800kg」

予想外の数字に疾風と京東は言葉を失った。

「零、その義手何でできてるだ?」

「タングステン」

驚異の材質に二人は再び言葉を失った。

「それ重くないのか?!」

驚きながらも京東は零に質問した。

「そうでもないよ」

タングステン製の義手に驚く二人に零はこういった。

「まあ義手と義足だけで29kgあるけどね」

二人は更に驚いた。

「それとパワーブースターって言う強力な増強装置ついてるからあのくらいの力は余裕で出るよ」

「凄いな」

三人はゲームセンターを出た。

「今日はありがとうね!じゃあまた明日」

そういうと零は寮に帰っていった。

「なんだかんだ今日は楽しかったな」

「色々驚きの連続だったけどな」

「じゃっ俺も買えるわまた明日な!」

「おう、じゃあな!」

京東も疾風と別れ寮へと帰っていった。

「そういえば俺寮まで遠いんだった」

そして疾風は相変わらずの馬鹿である。

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