2


1


夏の日を翳し染ましたいちご味初キス染めた舌を冷やしむ




2


秋のさなかの帰り道あき缶を蹴れば夕陽の湖面へ熔けゆ




3


夫婦そろって冷や飯を夜半に食べてはもの想いすつれづれと




4


初雪は西日に融けゆ今しがた人は行き来す気付かぬままに




5


こんにちはひとり笑顔のホームレス誰も彼もが知らん顔する




6


小石蹴るどぼんと低く音響き真鴨は遠目に首をかしげた




7


春の陽にゆるみ静かに崩れ折る霜よ柱よ母の嘆きよ





畦の土掘り起こしてもにおいだけみみず恋しや土くれの指

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