短歌記憶帖5

森の 仲間

1


1


すぐ傍に月の温みがほしい夜電燈つけて古き本読む




2


母と孫バンザイよりも前ならえお着換えよりもだっこが良いと




3


哀しみをひとまず置いてただひとり家を守ると酒へ呟く




4


たぬ公はふわりふわんとかわいらし子は欲しいとしっぽをねだる




5


引き取りし子ネコと共に空を見た母ネコそこにいるんだろうか




6


なにごとだ救世なべがからっぽだ世相を前に立ち尽くしたり





7


戯れに桜乱せり水鏡濡れし指間に淡くひとひら




8


美しやわが身へ染まれと金の鈴ふるき社の音は彩なり

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