IRON NALE

 登場人物


 ローズ・ワン……黒い箱直轄の連隊に所属する古参兵。黒い箱時代、親しかった知人が二人姿を消している。

 バターカップ・ナイン……黒い箱直轄の連隊に所属する兵士。同じクラスに恋人がいた。

 学長……「黒い箱」最高責任者。自身も先代のローズクラス出身で、ローズ・ワンの教官を務めていた。



 用語


 黒い箱……ウエストバイア陸軍の傘下にある少年兵育成施設。バイール戦争中期に各地に建設され敗戦後全て解体されたが、当時の教官や兵士の手によりここだけは残されている。

 黒い箱連隊……ウエストバイア陸軍の独立部隊。黒い箱を修了した者が配属される。入隊後三年以上経った上で特別な許可がなければ、除隊は許されない。




 火花散る国境から砲塔列車で北上すると、荒野にひとつの黒い箱が見える。箱の外に住む子供は箱を強く恐れ、箱のうちに生きる子供は箱に心を奪われる。それは公国に存在する恐怖そのものだった。

 何かを探して家を抜け出しこの箱に入った僕は、この恐怖の中で必死で生きようとした。そして狂気渦巻く箱の中で、その何かが見つかったような気がした。箱が目指した究極の兵士になれた気が、あの時はしたのだ。

「ローズ・ワン、懐かしいですか」

「ああ、少し感傷に浸ってしまったな。ここで君は何を思う、バターカップ・ナイン」

 向かいの席に座る少女は、胸に手を当て少し下を向いた。そして十五歳にしてはやけに大人びた視線をこちらに向けてきた。

「私は素晴らしい仲間に恵まれました。だからこそ、生き残らなければなりません。十六人全員が除隊許可を得るまでは、私たちにとって今が全てです。だから私には、ここに残してきたことはありません。あるとすれば--」

「バターカップ事件、か。脱走者のフォウは君の親友だったと聞く」

 フォウは。車窓から外を見ていたナインは、首を強く横に振ってこちらを向き直した。

「エリザは強い兵士です。私など歯牙にも掛けぬほど。常々思っています。彼女が巨人を駆り攻めてきた時が、私たちの終わりだと」

「このローズ・ワンが、連隊の味方がそんなに頼りないかな」

 自嘲気味にそんなことを言ってみても、少女のまっすぐな瞳はごまかせそうにない。同年代の少女が決して持ち得ない強い決意と覚悟、そして信頼があるのだろう。

 除隊許可を得るということは、一人前の兵士として認められるということだ。自由に動ける時間も多くなり、こうして箱を訪れることもできる。だが黒い箱連隊の歴史でも、除隊許可が出る兵士は少ない。僕が入隊してから二十人に満たず、今の連隊には僕とナインの二人だけだ。最近では三年前に除隊したシスルの少女が脱走したという話も聞くため、締め付けはさらにきつくなっているだろう。それをクラス全体でもらうということは、前例がないことなのだ。

 連隊には今六つのクラスがある。ローズ、バターカップ、リリー、ロータス、ヒース、デイジー。ローズは十年以上前から僕だけであり、リリーとロータスはもう二人ずつしかいない。新参のヒースとデイジーは士気も練度も低く、彼らはいずれ突撃の弾にされるだろう。そして生き残りは再編成され、次のクラスとともにまた突撃する。子供たちにとって悲劇的なのは、我々兵士が戦略的に運用されたことは皆無だということだ。

 本来であればその点から考え直し、一方で一から教練し直すべきだろう。本気で兵士を育てるならばそうだ。だが彼らの瞳は目の前の少女とは異なり、絶望の中で死んでいた。こうなった兵士はいくら技量があったとしても弱い。

 二十三年前のいわゆる"こどくのリラ"事件の後、教官にも子供にも強い監視が敷かれるようになっている。今は他クラスの子供の名を知ることすら困難だろう。

 バターカップというクラスは、そのようになってから初めて脱走者を出したクラスなのだ。聞けば脱走したフォウを手引きしたのは、リーダー格であるナインだという噂もある。

 この少女ばかり十六人のクラスは技量が突出して高いわけではないが、小隊ごとや小隊間の連携を徹底し生き残ることを第一に考えている。そのため長期的な継戦能力が高く、彼女らがなければ南方戦線はあと何マイル塗り替わったかわからないほどだ。上がナインを咎められないのは、彼女ひとりの力量によりクラス単位が結果を残していたからだろう。

 今の黒い箱連隊は歴史的に見ても強くなった。だがそれは決して指導部の教育の賜物などではない。洗脳教育を受けた少年たちは格闘術や巨人のエリートではあるが、強い兵士ではなかったのだ。それはローズとバターカップが証明した。伝統的に最高のクラスであるはずのローズですら、十年以上も生き残った僕しかそれに気づくことはなかった。一方でバターカップはそれをよく理解し、自分たちの強さを獲得しようとしている。だからこそ僕は、あの光沢を持つ黄色い花を羨むのだ。

 今思えば、あの二人も気づいていたのだろう。だからといって幼い僕では、 たとえそれを聞いたとしても理解できなかった。早熟だと自認していたが、その実大人になるのが遅すぎたのだ。あの時どうしようもない子供だと思っていたウィステリアは、僕などよりはるか遠くを見ていた。

 列車が止まる。創立以来四度しか破られていない鉄条網に囲われた黒い箱は、今もそこに立っていた。傲岸で不遜なたたずまいは、兵士として完成の憂き目を見なければ、誰もここから出さんということだろうか。

 厚さ二フィートはあろうかという扉がゆっくりと開く。見れば見るほど抜け道などない厳重な警備の中、僕とナインは黒い箱の中へと足を踏み入れた。

 屋外運動場の警備は特に手厚く、子供たちが基礎訓練をしているのが遠目に見えた。教官に怯えた表情を見るに、入って一年も経っていないのだろう。だがどんな経緯でここに入ったにせよ、脱落は許されない。背後に死がある以上、必死で付いていくしかないのだ。そんな自分にとって過去の景色を見ながら、僕は教室棟へと向かった。

 赤い薔薇の紋章を光らせ、かつかつと通路を歩く。どうやらこのクラスは基礎教養の時間のようだ。科目は公用語やバイール語、数学など一般的なウエストバイアの中等学校を卒業する程度の学力は身につくらしい。僕もここ以外の生活は知らないから何とも言えないのだが。

 ともかく、妙に視線を感じる。部隊で十五年も戦っていれば、子供たちの畏敬が集まるのは当然のことだ。かつてはそれさえも自尊心の裏付けになったものだが、今では冷たく乾いた微笑が溢れるばかりだった。よそ見をする子供に対し教官が怒鳴りつける。僕はそれに煩わしさと懐かしさを覚えながら、歩を進めた。こんな光景をあと数回は見ることになった。

 希ガス灯の鈍い明かりの中で、地下への階段を降りていく。閉鎖されて長いこの道はやや不気味で、ナインは不安げに付いてきていた。そして一番下の扉を開けると、そこにひとつの空間があった。

「懐かしいですね」

「懐かしい、か。バターカップの頃には、もう閉鎖されていたと聞くが」

「忍び込んだんです、エリザと」

「なるほどな。僕らは教練の疲れを癒すために、ここで演奏をしたものさ」

 地下にある娯楽室は、照明をつけなければ闇以外に見えるものはない。使い手のいない楽器は埃をかぶり、よく整備しなければ音を奏でることはないだろう。だがここに来るといつも、懐かしい声を感じるのだ。それはもう二十年も前の記憶。

――あら、フレディちゃん。今日もむっつり顔ね。ペットが空いてるわよ、吹きなさい。

――お前も入るんだよ。ここでのお前はただのフレディだ。

 昔は厳しく統制された子供たちの交流の場であり、バンドを組んで流行歌を奏でたりした。それは僕にとって数少ない鮮やかな記憶だった。

 だがあの日以来、子供への締め付けはより強固なものになった。今となっては、ここへ入ることを許されている隊員はほとんどいない。幼き日のことだが、今でもはっきりと思い出せる。ウィステリア・エイティーンの荒々しくも細やかな言葉。ライラック・イレヴンの湿り気を帯びた耳に心地よい言葉。僕はそれに素直になれなかった。だからこそ、今もここに残っている。

 ここにいることを心から肯定している隊員など、かつての僕以外にはないだろう。以前の僕はそれを自身の強さだと信じていた。だが今はわかる。考えることをやめた兵士など、牙を抜かれた犬と同じだった。

「ふたりは、まだ一緒にいるのだろうか」

「ふたり、ですか」

 ここにいると、不用意に言葉が漏れてしまう。僕は苦笑しつつ、左下からのぞき込む小さな顔に答えることにした。

「ああ。僕は勝手に、彼らを友人だと思っていた。ウィステリア。ライラック。もう行ってしまったけどな」

 そう言ってから、ふっと先ほどとは違う笑みを浮かべる。今更、どうして顔向けできようか。小ぶりなサクソフォンも、マイクが付いたキーボードも、使い手がいなければ眠るだけだ。

「……私の中が歌でいっぱいになるまで歌わせて」

 口から漏れ出すかつて聞いた言葉は、僕の本心を表すのだろうか。淡く心地よい過去が脳裏に浮かぶ。この夢の中にいたいと思うほどには、この現実を地獄だと認識していた。

「……あなたは私が憧れ、恋い焦がれた人。もうわかるでしょ?」

「変わらないでいてってこと。愛してるってこと。ですよね」

「よく知っているな。ここに入る前に聞いたのか」

「エリザが好きだった曲なんです。あなたも交戦中によく歌っていますが。この声を聞くと安心するんですよ。いつも強いですが、歌っている時は鬼神のようですから」

 横に立つ少女は、そう言って笑う。僕は軽い咳払いをした。歌を無意識のうちに口ずさむのは、狂気の中にある心をどこかへ逃すためなのだろう。いや、あるいは狂気に身をまかせるためだろうか。

 全く同じものを抱えながら僕は後ろを、この少女は前を向いている。

 だからこそ、僕はジェラール侵攻の只中にあってここに来たのだ。後ろを向くのはこれで最後にしよう。そう決めに来たのだ。奥から埃を被ったトランペットを出す。もう丸一日かけて調整しなければ音は出ないだろう。少なくとも、二人がいなくなるまでの三年しかやらなかった僕では。

 優等生だったはずの幼い僕は、ここでだけは無力だった。ここは必死に今を楽しんでいるものが評価される場所。だから好きだった。だから、できればその中にいたいと思ったのだ。

 ならばどうして。僕はその思考をかき消す。たとえ付いていったとしても、足手まといになるだけだった。だが、今ならどうか。二人のような過酷な道でなくとも、この連隊で地位を獲得した僕には選択肢がある。ずっと黙殺し続けてきた選択肢が。

「ローズ・ワン。あなたも、消えるのですか」

「そう、見えるか」

「ここに来てからずっと、エリザと同じ目をしています」

 僕ははっとした。歩んできた道が間違いだと、自らが断じ始めていたからだ。僕はメイソン伯という傍流貴族の汚名を嫌ってここに来た。そして得た仮初めの名、黒い箱のローズ・ワンであることに誇りを持つことができた。だからこそ、それがまやかしだと認めるには僕は幼すぎたのだろう。

「今更、取り返しもつかんよ。それに君の思い描くことも、気になり始めてきたしね」

「私は、ここでエリザを待ちたいです。できればみんなは逃して、私だけで」

 そうか。僕が次の言葉を口に出そうとしたとき、娯楽室の硬い扉が鳴った。ナインは一瞬身震いし、後ずさる。振り向くと扉の先にある闇から、大柄な男が歩み寄ってきた。わざとらしくひげを伸ばした肥満体には、言いしれぬ威圧感があった。

「おやおや、ローズ・ワンにバターカップ・ナイン。今をときめく、連隊のエースのお二方ではないか」

「お久しぶりです、学長」

 どうにか平静を保ったナインは、毅然としてそう口にした。黒い箱の課程を修了した者の中に、奴を快く思っている者はいないだろう。この男はローズの教官として僕らを徹底して鍛え上げた。だがクラスメイトを互いに反目させるやり方は、入隊後のローズが崩壊した原因といえるだろう。今目の前にいるのは、そんな空気を黒い箱全体に生み出した男なのだ。

「どこをご覧になるかと思えば、こんなほこり臭い場所とは。ここには裏切り者を生んだ過去がある。ウィステリア・エイティーンという男は、ここで知ってはならぬことを知り消えた。孤独に咲いたリラの花の秘密は、我々しか知っていてはならぬはずなのに」

「今さら僕らに、何を仰りにいらしたのですか」

「いや、何も。ただ、年明けの南方戦線にはあるお客を招くことになっている。表向きは共通の敵、憎きジェラールを打倒せしめんと。だが、物事には裏がある。その真意は、裏切り者を誘い出し潰さんがため。最近では、除隊を認めてやったシスル・ナインも脱走したと聞く。もうこれ以上、黒い箱の威厳を損なうわけにはいかん。大戦より公国の強さを支え続けた力を、取り戻さねばならないのだ」

 うわごとを。僕は吐き捨てるように胸中で口にした。そんなことを思っているのは、もうこの男を置いてほかにないだろう。昔のことはいざ知らず、今の黒い箱は既得権益を失いたくない者の思惑のみで成り立っているに過ぎない。はみ出し者の子供を受け容れて、国を護る兵士に育てる。そんな大義名分はもはや飾りでしかなく、だからこそその前に口にした台詞が頭を離れなかった。

「裏切り者、と言いますと」

「ネメシス、貴様も名前くらいは耳にしたことがあるだろう。義憤の名のもとに国際法の外から外交に干渉し、暗躍する連中のことを」

「名前だけならば、強大な敵として聞き知っております。ですが、それと裏切り者とどういった関係が」

 とぼけるものではないよ。そういって目の前の男は背を向ける。

「かつてこの施設で育ちながら、ここを抜け出すことができた者は決して多くない。だがその中で、今でも高い実力とカリスマ性を持って世界に居座っているものがいるとすれば」

 それはどういった名前だろう。大げさに手を伸ばし、教官はこちらに問うてきた。知ってなお促していることは明らかだったため、僕はひとつの名前を口にした。

「こどくの、リラ」

「貴様は懇意であったそうだからな、よく知っていよう。十数年前までは傭兵部隊に属していたようだが、その後は目撃例がない。もっとも、彼女を見て生きて帰った者など数えるほどしかいないだろうが。そして近頃、ネメシスを仕切る交渉人であるレナ・ブルージュという女がそれであるという結論に至ったのだ」

「それでネメシスを呼ぶ、と」

「そうだ。恩を仇で返すならば、報いを受けなければならん」

 僕は冷笑で返すほかなかった。お前が育てたわけでもないだろうに。

「やるとして、どうやって彼らを叩くのです。まさか、ジェラールと内応できるなどとは思えません」

「できるんだよ。我々より厄介な敵がいることは、連中もよく分かっている」

「そういうものでありましょうか」

「上のことは、お前が考えるべきことではない。お前らは走狗だ。我々が敵と定めたものを盲目に殺せばよい。その爪牙をこちらに向けるのならば、相応の覚悟をしてもらおう」

 では、お邪魔をしたな。そう言って甲高い足音とともに去っていく学長の背中は、浮き上がりそうなほど質量に欠けていた。

「そうだ。ローズ・ワン。我が友は貴様にも種を蒔いた。それが芽吹く時、貴様が何をするか。楽しみにしているよ」

 扉が閉まる。今は音もない部屋に、ふたりが取り残された。ナインは毅然として振る舞ってはいたが、頬は強張っている。ナインが受けた仕打ちがどのようであったか、知らないまでも想像はできるというものだ。

「ジェラールの兵は私たちを憎み、蔑んでいます。狂った子供だと嗤っています。このような話が成り立つわけがありません」

「僕もそう思う。だがもしここを戦場にしたら、全ては変わるだろうな。ここの連中は皆、送り出す自分たちは安全だと信じている」

「できますか、そんなことが」

「どうだろう。そうするだけの力は僕らにはないからな。だがそうしたいと思っている者は確かにいる。騙し討ちをする予定のネメシスさえ、そのつもりだろう」

 ナインはそれを聞くと、表情をわずかに和らげた。そのまま部屋を後にし、彼女は屋上へと向かった。

 先ほどまでとは違い、薄暗い階段を登っていく。子供の時は教官の目をかいくぐってのみ行くことができた場所だが、今ではなんの気兼ねも無い。扉を開けると、柔らかな陽光が肌に突き刺さった。

「ほう、君も」

「ええ、ここはふたりだけの場所。教官の寝静まった夜、ここでは広い大地と月が見えました。闇の中、私はエリザを見ていましたが、エリザはいつも遠くを見ていました」

「僕の頃と変わらないな。連中がここの警備を厚くするのも頷ける。ここで外を見た子供は、多くは消えていくのだからな」

 屋上には僕とナイン以外に人はいない。ここは四階につながる索敵塔があるほかは特に何もなく、だからこそかつては警備に穴があったのだ。

 屋上の手すりは毎年自殺者を出す。いくら警備を厚くしても、なぜか取るに足らぬ子供に破られるのだ。決死の覚悟というのはそれほどの力を生むのだろうが、それを生きるために使わなければならなかった。ここでは命あればこそ明日が見える、死んだら負けの世界なのだ。だから僕たちはこの屋上で、生き残ることを誓ったのだ。

「この外には、何があるのでしょう」

「わからん。でも、フォウはきっと達者でいるだろうよ。たとえ兵士になっていなくとも」

「そう思いますか。それなら私も安心できます。あの子は少し無理をするところがありますから、できれば私がいてあげたい」

「一緒に行っては、あげなかったのか?」

「エリザは、ひとりで行ってしまいました。私が手引きしなければならないほど危うい方法で。でも今ならわかります。彼女は私を気遣って、わざと自分しか逃げられないような計画を立てたのです。外に出ても野垂れ死ぬかもしれない中で、除隊許可を得て安全に抜け出すことを私に示したのでしょう」

「そこまで、彼女が思っていたと」

「エリザはいつも遠くを見ていました。今しか見えない私と違って」

 赤い髪が荒野の風を含み、ふわふわと揺れる。ナインはそれを手で軽く押さえると、手すりに肘をつき遠くを見渡した。その横顔に、ひとつ光が混じるのが見えた。

「ナイン、そろそろ時間のようだ。巨人の演習に模範として参加することになっている」

「そうですね。では、行きましょうか」

 そう答えるナインの表情は、ここに来る前より穏やかだった。明日が見えなければ、感情など持っていても仕方がない。それらは未来に向けられるものだからだ。

「次の作戦、何かが動きますね」

「ああ。どんな手段を用いても、望む結末を勝ち取らなければな」

グレイス。そう呼びかけた僕の心は、やはり変わり始めているのだろうか。

「はい、フレディさん」

屋上に別れを告げる。ふたりにとって答え合わせとなりうる日が、ゆっくりと近づいてきていた。

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