意識

もう

見ることのない

みずうみの

雨、

明け方のからだに


こんなに弱く 落ちて

とけはじめたぎん色の、

なだらかな

指は


とおく はなれた

背中の熱さをひそませる


忘れられた

傷ぐちの

甘い匂いに触れる

なまぬるい手のひらを汚してしまうこと。



淡い

眠りを象るような

ちいさな

かすれたこえを

つめたい呼吸のなかに

泳がせる。


だれのためでもなく

ひそかに

ひらきかけた意識に、

等しく重ねられた心音の

さざめきを残して


かすかに

崩れ、

なみうつ背中に

きっと

沈んでゆく

指に



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