第43話モンスターと春の風
春の風は強いなあ。
春一番が吹いてから……
「今日は春二番かな?」
散歩に行ってからと言うもの、ボロボロになって帰ってきたホイミスライムたち。
「もう! 春二番とか悠長なこと言ってられない!! 暴風だよ!!!」
「花粉は大丈夫だった?」
「大丈夫!」
ホイミスライム、目が赤いけど。わたくし外に出なくてよかった。
「ていうか、買い物行ってきたから荷物運んで!」
当然のようにさまようよろいが呼ばわる。
彼女はあまりの風の強さに、店外へ出られなかったそうである。
「えー、まっさかあ!」
笑ってしまう。重金属のさまようよろいが、風を恐れて、店の出入り口の前で「みをまもる」してしゃがんでいたというのだから。
「うそでしょ?」
「もう、風に飛ばされるかと思ったごたい」
わたくしはもう一度げらげらと笑った。
レベル92の魔物が恐れるのが春の風とは……恐れ入ったよ。まったく。
ああ、お湯が沸いた。今日はビターチョコを飲もうかなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます