第32話傍若無人なモンスター
今朝起きたら、床の上にいた。
うっすらとした記憶はある。
寝る前にエンドレスリピートでかけていた音楽を止めようと、ベッドの上から床の上のデッキのボタンに手を伸ばし、そのまま掛け布団と毛布ごと、落っこちた覚えが……。
そしてなぜだか目覚めた瞬間に目に入ったホイミスライムの嘲笑。屈辱。
一日、何を言われるかと気が気じゃなかった。
だからだろう。車で業務スーパーへ行くと彼女が言ったとき、本気でいやだったが、ついて行った。もちろん荷物運びである。
ところが問題は帰りのパーキングエリアの出口でのできごとだ。
なんと、ホイミスライム、入り口で受け取ったはずの駐車券を忘れた。もう一度店内に行って、取りに行かねば、という……。
車の後ろには五台ほど並んでいて、みな帰ろうとしている。それを待たせておいて買い物でもらったサービス券を得るために彼女は駆けた。
時間にして五分。ひんしゅくものだ。
なのにホイミスライムは、
「しょーがないじゃない。忘れちゃったのだから。仕方のない事」
ちっとも悪びれない。さまようよろいもなんの口も挟まない。
このモンスターたちはよう……。さっさと駐車料金を払うという選択肢がないのか。
人の弱みは握るわ、自分の失態は棚に上げるわで、ふざけるなと言いたい。
ち。甘酒が舌に熱いぜ(猫舌)。
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