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四志・零御・フォーファウンド

クリスマス

クリスマス2016


 主人公はある街に住む、ミキちゃんという小学2年生の女の子。

 ミキちゃんの家はとても貧乏で、家は築60年の木造建築。冬場は隙間風でとても寒いです。お父さんとお母さんは共働きで、ミキちゃんに勉強を頑張ってもらうために給料の大半は勉強道具になっていました。

 

 これはクリスマスイブのお話です。

 

 ミキちゃんには仲の良いカナちゃんというお金持ちの友達がいました。いつも遊んでいて、その日もカナちゃんが住む高級マンションに遊びに行っていました。

 

 そこで事件は起きました。

 

 カナちゃんには大切にしている真紅のドレスを着たお人形がありました。しかし、その日、ちょっと目を離したすきにそのお人形が無くなっていしまったのです。何人かの友達がそこにはいましたが、結局お人形の近くにいたミキちゃんがお人形を盗んだということになってしまいました。

 ミキちゃんは罵倒され、逃げるようにカナちゃんの家から出て行きました。

 

 その日の夜、ミキちゃんは布団の中で丸まって泣いていました。お母さんとお父さんに相談したいところですが、2人とも長い出張があるそうで、すでに2日も家にはミキちゃん1人でした。

 

 ミキちゃんはいつの間にか寝ていました。

 

 夜中でしょうか。ギィ、ギィ、ギィと足音がします。目が覚めたミキちゃんはこっそりと布団の中から顔を出しました。するとそこには、真っ赤な服を着て髭をぼさぼさにしているおじいさんがいたのです。


「サンタさん!」


 ミキちゃんは布団から飛び出しておじさんに飛びつきました。


「ほうほうほう、どうしたんだい?」

「おじさんはサンタさんだよね?」

「もちろん」


 サンタさんはミキちゃんに微笑みかけました。その顔をみて、ミキちゃんにある考えが浮かびました。


「サンタさん、私、お人形が欲しいの」

「はて、どんなお人形かな」


 サンタさんは大きな白い袋を担ぎ直して尋ねました。


「真っ赤なドレスを着たお人形!私、カナちゃんにこれをプレゼントしたいの!」


 これを渡せば、カナちゃんはきっと私を許してくれる。そう考えたミキちゃんはサンタさんにそうお願いをしたのです。


「ふむ。分かったよ。ミキちゃんのお願いを叶えてあげよう。それじゃあ、目を閉じて10秒数えるんだ」

「分かった」


 カナちゃんは素直に10秒数え始めました。




 クリスマス当日。その日は雪が降りました。

 カナちゃんが目を覚まします。カナちゃんは当然今日がクリスマスだと知っているので周りをキョロキョロと探します。

 そして、悲鳴を上げました。なんと、真っ赤なドレスを着たお人形が置いてあったのです。



めでたし、めでたし。

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