隔離病棟
でゅーく
終ワリノ始マリ
あの日、俺たちは社会から姿を消した。
自分の家族、学校、友達を捨て、自分の為だけにここまで来た。
だけど、不思議と寂しさはなかった。
捨てたはずの友達たちが、そこにいた。
そして彼らは、悲しそうに笑った。
「お前だけじゃなかったんだ」
「勘違いはしないでね」
「私達も、あんたと同じで」
「自分の為にここに来たんだから」
「だから、寂しくなんてさせない」
「だって、俺らは約束したじゃん?」
「卒業しても、一緒だって」
そう。
この日、俺達は死んだ。
ここにいるのは、俺達であって、俺達じゃない。
だから、また始めよう。
俺達の作れなかった、大切な時間を。
また、この場所で作り上げよう。
世界から分断され、社会から隔離された、この『病棟』で。
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