塩水ウニ

 塩水ウニとは、塩水で保存されているウニだ。

 通常のウニはミョウバンを使うことで形が崩れないようにしてある。しかしそれではミョウバンの味が移ってしまう。ウニの苦味はミョウバンのせいだ。


 まあこれはウニ好きな人であれば常識的に知っていることだろう。そしてそれをどうにかする手段も存在する。

 ひとつは生きたまま、トゲトゲの状態で保存する。もうひとつが塩水を利用することだ。

 しかしトゲトゲで保存するとかさばるし、中身を取り出すのが面倒だ。

 つまり塩水ウニはミョウバンの余計な味をつけず、且つ食べるのも楽という一石二鳥なのである。奴らは元々海水、つまり塩水に浸かっているわけなんだから味は変わらない。欠点といえばお高いくらいだ。


 そしてボクはその中でも最上級とも言える、利尻のエゾバフンウニを食べる。もちろんこんなものそう滅多に買えるものではない。年1回くらいの超贅沢だ。

 利尻といえば昆布である。そしてウニどもは昆布などの海藻を食べる。そう、利尻のエゾバフンウニは高級食材の利尻昆布を食って育っているのだ。

 いい食材にはいい餌。これ重要。そんなウニがまずいはずない。


 塩水ウニの容器はよくできている。容器の中にまた容器が入っているのだが、その内側の容器の下はザルのようになっており、それを取り出せば塩水を落とせる。

 数分待てば大丈夫。あとはこいつをごはんの上に載せるだけ。


 寿司のイメージで酢飯というのも有りだが、普通の白米でいい。型くずれをさせないため、できれば少し冷ましたものが望ましい。そこへウニを乗せ、足りなければ他にイクラなども乗せてもいい。2色丼だ。そしてわさび醤油。

 折角なんだから醤油はいいものを使おう。ボクが愛用している醤油はその名も「すごい醤油だ」というストレートな名前のもの。これの3年熟成ビンテージを毎年購入する。

 大体5月末辺りから販売されるビンテージは数量限定だからお早めに。


 食うときはお上品じゃいけない。高級食材だからといって遠慮はいらぬ。丼ものなんだから掻き込もう。丼に口をつけ、箸で乱暴に叩き込む。

 ウニだけで食う。美味い! イクラだけで食う。美味い! 両方混ぜる。美味い!

 もはや至極。至極の境地。凄く至極。味の表現だけあって筆舌に尽くしがたい。

 モスト美味い。ウメェスト。


 バフンウニ漁の解禁は6月。そろそろ冷凍ではない新鮮な塩水ウニが手に入るチャンス。我こそはウニラブのウニラーであるという人にちょっと試して欲しい。

 これで年間ウニ予算をかなり消費してしまうため、ウニを食べる回数は減ってしまうかもしれないが、このウニが食べられるのならばと待ちたくなると思う。少なくともボクはそうだ。


 そろそろウニ貯金始めないと。

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