【lėlė恋物語】
都稀乃 泪
第1話 “出会い”
『君はルミエラだよ』
そう言ったアナタのコエが、
アナタのカオが、脳裏に焼き付いて離れない。
アナタは私に名前をくれた、
初めてのキモチを教えてくれた
そんなアナタに私は何か出来ていたのかしらね…
アナタと出会ったのは、アナタが迎える5回目のクリスマス・イヴ。
ガラスの向こうからは楽しそうな…幸せそうな声が聞こえてくる。
私の家はルウテ通りの真ん中少し南寄りにある玩具屋を営んでいる。
今日は12月23日。
クリスマスプレゼントを求めてやってきた人で通りはいつもの何十倍もの人で溢れかえっている。それを、私はガラス越しに見ていた。
みな、幸せそうな顔をして私には目もくれず通り過ぎてゆく。
当たり前のように...
そのことに少し悲しさと寂しさを覚えた。ふと目の前に視線を戻すと、そこには1人の小さな男の子が立っていた。
「君も1人なの?僕も独りなんだ...」
その男の子は少し寂しげに呟いた。
「やっぱり...決めた。少しだけ待っててね」
そう言い残して、男の子は店の中へ入って行った。
数分後...
私は少年に連れられ、少年の家へ向かっていた。
男の子の家はとても綺麗な白い壁にクリーム色の屋根。思わずうっとりしてしまった。
中もとてもオシャレだった。
白を基調とした白黒のモードな居間。
暖かな赤茶色のフローリングにオレンジ色の間接照明、木の家具の置かれた暖かな寝室。
そんな部屋の前を通って部屋の入口についた。
どんな部屋なのだろうか...
白を基調として、青が差し色に使われた部屋だろうか。赤黄緑の遊び心のある部屋だろうか。白と木を基調とした落ち着きのある暖かい部屋だろうか...
そんなことを考えていると、男の子は部屋の扉を開けた。
私の目に飛び込んできたのは、赤茶色のフローリングでレンガタイルが壁の半分を覆っている、もう半分はオフホワイト。木を基調とした家具の暖かい部屋だった。
少し汚れたシンプルな服を着ていたから、心配していたのだが、その必要はなかったようだ。
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