高校生根暗オタクが異世界に召喚されました

かに

第1話 プロローグ


 俺の名前は石本 てる。石本家の次男に生まれ、昨年中学を卒業した高校一年生。


そんな俺の毎日の日課が、、


「ふぁー、あ、また朝かぁ。」


そう、お察しの方もいると思うが、ネトゲをして夜を明かすことだ。

そして、中学のころからの口癖がある。


「今日も学校か__」


______________________________________


am8:10


学校までは徒歩十分ほどだが、行くのが面倒くさい。足がすくむ。

そんなに学校に行きたくないなら行かなかったらいいじゃないかという方もいるだろう。だが、俺は中途半端に学校に行かなくなり、そのまま不登校になることを恐れているのだ。

そう、ただ度胸がないだけなのである。

一日休んだだけで、「高校に行けなくなるぞ!」と脅してきた担任のせいで、いやでも学校に行かなければいけないという使命感にかられるのだ。

というか、中学の担任の俺への扱いはひどかった。

勝手にオタクだとかどうとか偏見と先入観の塊のような目で俺を見て、「おまえ、アニメだけじゃなくて勉強もしろよ」とか言ってきた。


余計なお世話だっつうの。


______________________________________


キンーコンカンコン


「きをつけーれーい」

「「「お願いしまーす」」」


「あれ?輝来てたんだ?」

俺を下の名前で呼ぶ奴はこの学校に一人しかいない。

幼馴染の涼花りょうかだ。

は?幼馴染?裏山過ぎる!!シネカス とか言うやつもいるだろうがそうでもない。その理由はまた説明するとして……


「おう、スズ。来てたんだぞ」

「その呼び方にもいい加減慣れるよ……」


こいつの名前は涼香りょうかだが、すずかとしか読めない俺はスズと名付けた。

そんなどうでもいいことから一日は始まり、俺は時計とのにらめっこを開始するのだった。


______________________________________


「はぁ、やっとオワタ。かえってネトゲ?いや、ゲーセンでレッツグルーヴってのも……」

「ヤッホー輝!暇そうだね?」

そう、幼馴染が嫌な理由は、無駄に絡んでくるところだ。


「いま、人生設計で忙しい。そんなことより、お前、ぼっちかよ」

「はー?」


背中をたたいて抗議の意を示す幼馴染。

もっと可愛ければ歓迎なんだけどなー。はたから見れば美人かもしれんがタイプじゃない。以上。異議なし

俺の脳内議会は三秒で幕を閉じた。

こうして幼馴染に背中をたたかれながら、今日はネトゲにしようと決めるのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る