第19話 送られなかった手紙
手に取った封筒から読んでいく。
その封筒もどの封筒もだけど、その日あったことを書いている。
でも色々違和感がある手紙だった。
1人で絵をかいたとか、ベランダでぼんやり外みてたとか。
ほぼ、全部一人で何かをしてた事だけ書いてる。
別に一人が好きとかならわかるけど、それ以上に遊ぶ内容も家の中で遊ぶようばかり。
出かけて遊んだという内容は全然載ってない。
それに違和感は手紙本体、封筒にもある。
どの封筒も私宛ではあるけど、住所書いてないし。
手紙に関しては、ほぼ全体的にしわしわで茶色く汚れていた。
古くなった手紙ではあるけど、それ以外にもともと汚れていたようなそんな汚れもある気がする。
最後に、また会いたいなと全部書いてあった。
この手紙・・・いつどこで書いたんだろう。
私宛だから、此処に来てからかなの手紙だよね・・・??
私が忘れた過去に何があったんだろう。
半分くらい読み進めていたけど、途中から内容が変わっていた。
お母さんが帰ってきたけど、早くどっかにいっほしい。
つらい。悲しい。といった内容だ。
最後だけは、決まってまた、会いたいなと書いてある。
重たい内容で、途中から読むのがつらくなり、読むのを少し休憩することにした。
この手紙はここで書いたとは思えないし。
・・・多分・・大体の人が読んだらわかるよね・・虐待・・なのかな・・・。
この手紙はこの世界で書いた訳ではないよね・・・持ってきたのかな。
それにしてもなんで透子ちゃんは住所をかいてなかったんだろ。
知らなかったかそれとも渡す気はなかったのか。
それは本人に聞かないとわからないよね。
透子ちゃん・・・アルバムやらこの手紙でもそうだけど、私と透子ちゃんは
この世界が初めてじゃあ、ないのかな。
ズキ
どこかであっているのか・・
ズキズキ
うん、あってるみたいだねー・・・。
もう何回か経験してるから想像できるけど、自分の過去に関わる事は頭が痛くなる。
身体が嫌がっているし思い出さない方がいいのかもしれないけど。
でも、私このままでいいのだろうか。
思い出すのが怖くて、ずっと逃げてきたけど、私の過去に隠されてるかもしれない、透子ちゃんが私に協力してくれなかった理由や見つからない理由。
私は封筒を片付けて、見つけていた写真二枚は鞄につめこむ。
そして、鞄にいれていた、黒い本と白い本を出す。
そもそも黒い本はなんの本か分かるけど、白い本はなんなのかいまだ不明なんだよね。
透子ちゃんにも謎は多いけど、なにより一番謎が多いのは私かも。
先生たちが持っていた棒を持っていたり、この白い本だったり。
さて・・・・意を決して、避けていた。
後半の部分を読んでみよう・・・・
意を決して・・・。
過去と書かれた1ページ目を開く。
何かあるものだと思って期待してみると、真っ黒に塗りつぶされ居た。
「へ??」
意を決してみたのに・・と思いつつ少なからずほっとしていた。
でも、これで振り出しに戻ってしまった。
せっかく何か情報が出てくるかと思ったけど。
ていうかなんで真っ黒にされてるんだろう。
自分でしたのかな、それとも誰かがしたのかな。
もう、こんがらがってきた。
情報があったりなかったりで、一個一個がつながるようでつながらないよ!!
今日はもう寝よう。
正直、透子ちゃんがどこにいったのか情報は分からなかったけど、透子ちゃんの過去に関係している封筒に意味深な写真。
これを守くんに相談してみればわかるかもしれない。
・・・そうだ。もうひとつ忘れてた。
白い本あるじゃん。
これも読んでみようと思って開く。
ためらいもなく、開けたらほぼ文字。
読めないし。読めない文字がずらずら書いている。
なにこれ?なんの本だろ。
意味の分からない本で、最後らへんまで見たけど本当によく分からなかった。
「これもわからないのかーーー・・・・あ、でもこれだけ読める。
なになに・・・」
ちょうど最後の一文に書いてある文字。
「念じよ、創造の玉をもちいて・・・・後は読めないな・・・」
玉・・・・玉・・・あ、ボール!
片付けていたボールを取り出し、私はさっきの一文の通りに、念じた。
『透子ちゃんに会いたい!!!』
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