GiFT＊ガキのままの俺に届いた贈り物＊

田村優覬

＊プロローグ＊

――あなたは、信じますか？

　子どもたちにプレゼントを届ける、サンタクロースの存在を――。

――あなたは、信じてますか？

　サンタクロースには、大人になれた今でも会えるかも、と――。

――あなたは、知ってますか？

　サンタクロースのソリを引く、トナカイたちの頭数と名前を――。

――あなたは、御存知ですか？

　トナカイたちにも、晴れぬ闇を抱えていることを――。

――あなたは聞いたことがありますか？

　クリスマスによく窺える、柊（ひいらぎ）を飾る意味を――。

――あなたは聴いたことがありますか？

　永年に渡って口ずさまれた、数々のクリスマスソングを――。

――あなたは認知していますか？

　同じ屋根の下で過ごす家族との、確かな愛を――。

――あなたは認知できますか？

　存在しないはずの、i（アイ）の正体を――。

――あなたは願いますか？

　年に一度だけ訪れる、聖夜の奇跡を。

――そして、あなたは願っていますか？

　今すぐサンタクロースにお願いしたい、唯一無二の尊き夢を――。

――それでは、今宵より始めることにしましょう。

　家族愛を大切にし過ぎた、ガキのままの罪人たちによる、聖夜のクリスマスストーリーを。誰もが口ずさんだであろう、伝統的童謡と共に。

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