第1話 異世界の朝

 久し振りにいい夢を見た。その内容は…内容…あ、思い出した。どこか綺麗な部屋の中で、その部屋よりも綺麗なお姉さんと話す夢。何を話していたかは覚えていない。でもあのお姉さんは綺麗だった。それは覚えている。

 そんな夢も終わり、静かに新たな物語が始まりつつあった。

**

 差し込んでくる朝日によっていつもよりはスッキリ起きることができた。雨戸をしっかりと閉めていなかったのだろうか。今は何時なのだろう。枕元に置いてある目覚まし時計に手を伸ばす…も自分の手は空を切った。

「おかしいな…」

 自分の部屋を見回してみる。ベッドから見て右手にあった窓は左に、隅にあったゲーム機は無くなっている。見た目も現代風から一昔前のようなものになっている。部屋の間取りもだ。

「何が起きてやがる…そもそもここどこなんだよ。」

 まずは部屋を探索してみる。

「なにか情報が掴めるものが…っと早速発見。」

 第1の発見。スマホのような形をした端末。となると脇にスイッチが…おお、あったあった。取り敢えず押してみるか。

─ピッ

 起動。これであってるっぽい。画面にポツポツとあるのがアプリなのだろうか。その中に《スキルマネージャー》というものがあった。開いてみると、そこには氏名やレベル、スキルポイント、ステータスなどが表示されている。


氏名:カナメ-タツヤ

Lv.___

スキルポイント:___

«ステータス»

体力:___

魔力:___

筋力:___

«メインスキル»

____

«サブスキル»

____


※ 登録は各地のギルドで行って下さい。その後は例外を除き定期更新されます。※


 これを見ると、氏名以外空欄であることからまだギルドという場所に出向いてはいないのだろう。これをみる限り、どう考えてもここは異世界なのだろう。

「まずは着替えてギルドってのに行くのが目標か。」

 どうやら俺は、とんでもないところに連れてこられたのかもしれない。






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