第3話 ジェットコースター?

この雪の日に、父は仕事があるらしく、朝早くから出かけて行った。


ベランダにお湯を汲みに出ると子供たちが雪合戦をしていた。

二階から眺め、水を淹れながら笑い声を後に戸を閉める。


今日は積雪の日だ。


昼から、父が帰って来た。

非常に疲れたとのこと。今日はもうお合判となり、作業を終えて帰って来たらしい。

そりゃこんなに降ってたらなあ。

窓の外の雪を見やり、お茶を淹れる。

二階に上がって寝るとのことで、すぐに引き上げていった。

お茶の残りを、別の湯飲みに入れて後始末する。


その後弟が動画をアップしようとして私をからかったところ、逆切れされ非常に怖かったので断念した話などして笑った。


母が上がって来て、買い物に行くという。

早速外に出た。

犬が嬉しがって着いてきたので、抱っこして雪の上に着地させていると「何しとんや!」と祖母に怒られ、「喜んでるで」と犬の足跡を見せると「ほんまやな」と祖母も笑った。

笑顔で犬はストーブまで取って返し、私達は業務スーパーに向けて出発した。


雪でがくがくする。「怖いよー」的なことを言いながら到着した。

さて。品定め。


母と主に回っていたが、お茶などの安いのを見つけると中国産だったりして、母が「ちょっと」と手で呼んだので顔を寄せると伊藤園だったので「あ日本産だ」と買った。後で安いのを見つけて返した。

まーた祖母が大量に買った。

この人は出かけるとこれでもかという程買う癖がある。

今日も明日は何の記念日でもないのに「焼肉しよう」と高い肉を大量買いしようとしたので「明日は誰の誕生日でもないよ」と言って止めた。

さて、レジ打ちの段。

子供が掛けていく。目線をわざと合わせて遊ぶ私は待ちぼうけ。祖母と母はまだ来ない。

レジの真ん前で待っているので、非常に人の邪魔になりやすい。

喋りやすい気性のせいか知らない人がわざと「あ、すみません」と言って見たりしてくる。

それとなく流しながら、カゴを持っていろいろ見ていたら母に怒られた。

「順番取ってんのに!」

いやそんな取れてなかった。


祖母の荷物が、ごまんとある。

箱を何度も選びに外に行き、非常に寒い思いをした。

さてようやく箱を車に詰め終わり、さて帰る段になると、雪がフロントガラスに積もっている。

こりゃ大丈夫かね。

しばらく車内で過ごし、窓を温める。

ようやく発進したが、非常に雪がもっこりしていて、とても進みづらい。

祖母が座椅子にしがみついている。「婆ちゃん怖いやろ」と聞くと「うん」と頷いた。

信号機も見えているのかすらわからない。雪の日は無法地帯、そんなことを考えた。


ふと、こんな日に野生の猫たちはどうしているのだろうかとまた考えた。猿山の猿たちもどうしているのだろう。

婆ちゃんによると飲み屋のファンヒーターの裏に集まっているとのことで、毛が絡まって非常に過ごしづらいと昨日聞いたことを思い出した。


最近なまって駄目だー。帰って来て簡単に仕分けをすませると、犬に雪を舐めさせてからすぐに二階に上がり、お菓子をぼりぼり。

今日のお供はカルピスソーダである。


これは気を付けねばなるまいぞ。

こんな調子で明日も父は仕事だ。私は明日も簿記を頑張ることを決めた。

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