第2話私の仕事?

嵐野動物園は埼玉県の山奥にある。

森林公園の中に位置する嵐野動物園は大きいと言えるほど、大きくはなく、小さいと言えるほど、小さくもない、ごく普通の動物園だ。

緊張ほぐしとして森林公園を少し散策しよう。

いま話題のタピオカミルクティーを買い、森林公園を歩く。

それにしても空気が気持ちいい。

少し疲れたら展望台の辺りで一休み。嵐野市が一望できる、数しれた絶景スポットだ。

よし。動物園へ行こう。


私は、客ではない。動物園飼育員。つまり、関係者だ。関係者裏口の警備員に名前を告げ、通路を歩いていく。


確か、園長室は向かって左だった気が。


あった。園長室。


トントントン

ノックをして、扉を開ける。

「失礼します。今日からお世話になります。佐藤 麻里 と申します。」

「うんうん。鈴井くんから聞いているよ。さぁ、座った。」


鈴井くんとは情報処理科の課長のこと。


「緊張しているのかね?まぁまぁ、リラックスした(笑)」

リラックスしろと言われ、できるわけが無い。更に緊張してしまったではないか。


「あの、動物園で私は何を...」


「君はこれから、キリンを担当してもらう。」


キリン...おとなしい動物だ。安心。

もし、ライオンの担当だ。と言われたらと思うと鳥肌立ってしょうがない。

「キリンのところでは何を...」


「それは明日言う。今日はキリンのところへ行き、先輩へ挨拶をしなさい。それで今日仕事は終わりだ。」


私は、頷くことしか出来なかった。



「初めまして。今日からお世話になります。 佐藤麻里です。ふつつか者ですが、宜しくお願いいたします。」

「あぁ。宜しく。森 成英だ。今日は帰れ。」

なんて冷たいんだ...

キリンは二匹いる。という事は、森さん1匹、私1匹、ということになる。

私が丸々1匹を担当して良いのか...少し心配だ。

今日は帰ることにした。家に帰りキリンについてたくさん調べた。睡眠時間が30分もないのか。スゴすぎる。

明日は早いらしい。もう寝なければ。


私、これからどうなるんだろう。

麻里は全く眠れず、朝を迎えた。


よし!行くか!

こうして、麻里の動物園飼育員の生活が始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る