君じゃなきゃだめ。ー4ー

「見て見て!この和樹。中学校の入学式の」


「わっ!今より童顔で可愛いですね!」


私達は和樹のアルバムを見る。


「今より10センチくらい身長が低かったのよ?どんどん伸びちゃって」


「そうなんですね!」


「もう、やめろよ。アルバムとか!恥ずかしいわ」


「なーに照れてるのよ?和樹」


「て、照れてないって!全く、母さんは!」


私の知らない和樹をたくさん見れてる。


今日は本当に幸せな日だな。


「これは体育祭ね。リレーの選手に選ばれてね。一等だったのよ?」


「すごい!見たかったです。和樹さんが走ってるとこ」


「ビデオあるよ?透子ちゃん」


「本当ですか!?見ましょう!」


「母さん!絶対だめだからね」


「えー?良いじゃない!和樹、かっこよかったんだし」


「や、やだよ!公開処刑すぎんだろ」


「でも、透子ちゃんだって見たいよねー?」


「はい、ぜひ!」


「透子さんまで!本当やめてよ!」


ご両親とはたくさん話をした。


和樹の幼い頃の話、高校受験の時の話。


たくさん和樹を知れて本当に本当に嬉しかった。


「そうだ、透子ちゃん。泊まって行ってよ?着替えとか私の貸すし。それが良いわよね。お父さん」


「ああ。僕は大歓迎だよ」


えっ!


「あ、あの!ご迷惑では?」


「全然!娘ができたみたいで私達本当に嬉しいの。もっと話したいわ」


「透子さんのご両親には僕から電話しても良いし」


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」


和樹の家にお泊まりだ!


「やった!ね、透子ちゃん。透子ちゃんの小さな頃のお話も・・・」


「父さん、母さん!ちょっと透子さん独り占めしすぎ!俺だって話したいのに」


「あら、和樹はしょっちゅう会ってるから良いじゃない」


「良くない!」


「もう!本当和樹は透子ちゃん大好きね。聞いて?透子ちゃん。和樹ったらね、透子ちゃんの話ばっかりするの」


「へ!?」


「か、母さん!!」


和樹の顔は真っ赤だ。


よく、話すんだ。


すごく嬉しいな。


愛しさが増していく。




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